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「ディ・マッテオ監督への交代は”内田殺し”?」ドイツ・ブンデスリーガ第8節 シャルケ-ヘルタ・ベルリン

前節の試合後にケラー監督を解任し、ディ・マッテオ新監督初采配となったシャルケはホームでヘルタ・ベルリンと対戦。試合は2-0で勝利し、無事にスタートを切ることが出来た。

・・・と言いたいところだが、今朝のチャンピオンズ・リーグでも試合終了間際に疑惑の判定でPKをもらって何とか4-3で勝ち越したように、本来監督交代の目的であった試合内容の安定という見地からすると極めて不安の多い試合内容であった。

その大きな原因に見えたのが、シャルケがマイボール時のSBの位置。今までであれば、4バックは比較的均等な高さに並んで内田にボールを集め、そこから同サイドのファルファンやシュポ・モティングに縦パスを出したり、引いてきたフンテラールにフィードを合わせたりするのがビルドアップのスタートだったのだが、ディ・マッテオ監督になってからは内田の位置が長友のように高くなり、ビルドアップがCBか下りてきたボランチの仕事になってしまった。

そのため、今までのようにサイドで一旦基点を作って落ち着かせてから中を使うリズムから、真ん中から縦へという形が増えてボールが行ったり来たりしてしまう事が多く、幸いにもヘルタが腰を引けた戦いであまり高い位置からプレスをかけてこなかったのと、要所要所で効果的に点が取れたので勝ちはしたが、とても楽観できる試合内容では無かったのが正直なところだ。

内田もかなりこのやり方はやりにくそうで、フンテラールが見事に外してしまったが序盤に素晴らしいオーバーラップからのクロスを見せたものの、終盤はめっきりプレイに絡まなくなってしまった。今節はキッカーのベストイレブンに選ばれたそうだが、贔屓目に見てもちょっと謎な選出であるように思う。前目の忙しいポジショニングを強要されて自分のペースを保てないディ・マッテオの戦術は、とても内田向けには思えず心配である。

ヘルタの細貝については、残念ながら1失点に絡んでしまった。2点目の場面でボールを受けたボアテングにスライディングしたが交わされ、そのままドリブルで持ち込まれて最後はドラクスラーに決められた。人に食いつくのが彼の持ち味だが、忙しい展開だとどうしても食いつきのタイミングがずれて穴を作りがちになってしまう。ジャマイカ戦でアンカーとして株を上げたが、依然として使い道が限られる選手であるのは確かだろう。そして原口は72分から途中出場。一度右サイドへ良い展開パスはあったが、縦は内田に塞がれていて得意のドリブルは見せられずであった。

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