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「本田圧巻のドッピエッタ!大活躍のポイントは”緩急”」イタリア・セリエA第7節 ヴェローナ-ミラン

日本とシンガポールの試合をこなしてのハードスケジュールでありながら当然のようにスタメンに名を連ねた本田は、疲労や時差ボケを感じさせない完璧なプレイを披露し、同勝ち点で並んでいたライバル、ヴェローナに3-1で勝利を飾った。

とにかくこの試合は”ドッピエッタ”本田に尽きる。両得点共にフリーな状態でGKとの1対1になったものだが、1点目はエル・シャーラウィのパスは素晴らしかったがボールの軌道が跳ねていてダフったり吹かしてもおかしくないシュートだったが完璧なミートを見せ、2点目も一瞬ステップを入れてGKのタイミングを外して流し込むなど、U-19日本代表に見せてやりたいぐらいに冷静さが際立つシュートだった。

それ以外にも、一度中盤でボールを受けてからドリブルでターンしてからマーカーををぶっちぎって右サイドを突破、最後はゴールライン際をえぐってクロスを上げたシーンもあり、クリスチャーノ・ロナウドのような圧倒的なスピードはないが、緩急を付けたドリブルで相手を抜くクレバーさも見事だった。これも自爆ドリブルか小手先ヒールキックしか出来ないU-19に(以下略

あと緩急といえばポジショニングについても見逃せない。日本人がウイングプレイヤーになると、パルマでの中田やマンUでの香川の例を見ても分かる通り全てのプレイに関与したがって生真面目に上下動を繰り返し、しかしスピードがないので結局決定的な場面にはなかなか絡めず、最後は疲れ果てて終わりというパターンが多いのだが、本田は良い意味でそこそこ手を抜いていて体力を上手く温存している。

そして1点目のように自陣での守備から70mを走りきってゴールしたかと思えば、2点目は守備へ戻らずに前残りし、ヴェローナの左SBアゴスティーニがマイボールでの攻撃に気が行って本田のマークを忘れたところで上手くラミからのロングパスを引き出した。対面のアゴスティーニがアホなのは確かだが、それだけポジショニングで緩急を付ける事の効果が現れているという証明でもある。これもやはり一本調子のU・・・ってもういいか(笑)。

ほんの少し残念だったのは、本田自身は得点を決めたがトーレスやエル・シャーラウィへのスルーパスが微妙にスピードやコースが合わなくて決まらなかった事。その辺は多少移動による影響があったのかもしれない。ミランの中盤はムンタリにしてもポーリにしても、ましてやエッシェンなんかではパスの組み立てなど期待できないので、本田以外の前線が点を取るには本田のお膳立てが必要である。まあ、そこまで期待するのはどう考えても無茶な話だけどね。

試合の中継でスタンドで観戦しているモントリーヴォの姿が何度も抜かれていたが、現在のミランの守備はDFラインの位置取りが低く、中盤もいったんラインに近い位置に下がってからプレスをスタートしているので負担が大きく、現状3人の運動量バカで何とか保っている事を考えるとモントリーヴォの復帰がそのままプラスになるとは言い切れないのが実情ではあるが・・・本田が好調なうちにチーム全体、特にカウンター以外で守備から攻撃へとつなげる形を作っておかないとチャンピオンズ・リーグ圏内入りは厳しいかもしれない。

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