サイトアイコン 旧閑ガゼッタ

「日本代表とドルトムントの悩みは同じ」ドイツ・ブンデスリーガ第8節 ケルン-ボルシア・ドルトムント

ロイス、ミキタリアン、ギュンドアンが怪我から復帰し、ようやくベストメンバーに近い形で臨む事が出来るようになったドルトムントだったが、やはりそう簡単に上手くは行かずケルンとのアウェイ戦で1-2と敗れてリーグ戦3連敗を喫してしまった。

一番の敗因は全く進歩の気配がない守備のミス。1点目はGKヴァイデンフェラーのキックでフンメルスが上がりすぎてしまい、ケルンにそのまま裏へと出されて誰もカバーできず、2点目は大迫のクロスは絶妙だったがヴァイデンフェラーとピシュチェクが交錯してしまいフリーで押し込まれるなど、お笑い守備をやらかしてしまった。

しかし守備は攻撃と一体のもの。ドルトムントのような攻撃型のチームは攻撃が上手く行ってこそ守備も良くなるわけで、つまりそれは攻撃に問題がある事の裏返しである。

ロイスとミキタリアン、香川を2列目に並べた起用は、本田と香川、岡崎の日本代表と同じように皆中でプレイしたがるタイプで持ち味を消し合い、結果的に香川がボランチのように中盤でパスを受けてターンしてからサイドに散らす役目に固定されてしまい、香川が得点チャンスに絡むシーンが激減してしまった。

それに加えてこれも代表と同じ1トップ不在の悩み。インモービレは純粋なストライカーであってポストや組み立てはレヴァンドフスキに遠く及ばず、ラモスは相手が引いた狭いスペースで何かが出来る選手ではない。そして前線に溜めが出来ないので、ピシュチェクとグロスクロイツの上がるタイミングが掴めず、ドルトムントらしい攻撃の厚みが作れない。しかも両SBの出来も悪かった。

つまりどこが原因で攻撃の機能不全が起きているか明確なポイントがなく、すぐには解決できそうにない様子である。強いて言えば1トップが最も重要なのだが他に選手がいない以上どうしようもない。話が簡単なのは攻撃のスペースが出来る事だが、チャンピオンズリーグならともかくリーグ戦でそう簡単にやらせてくれるとは思えない。

こういう時に得点を決めてチームを助けるのがエースの役割なのだが、やっぱり香川は攻撃が機能しないとどんどん下がってボールに触ろうとしてしまうわけで、確かにこの試合ではFWがポストをしないので香川が中盤でターンして前を向かないと組み立てが出来なかったにせよ、ファンやチームが香川に期待しているのは得点を決める事であるはず。香川はもはや若手ではないのだから、代表でもそうだがいい加減そういう自覚が欲しいところだ。

モバイルバージョンを終了