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「岡崎が最も活きない形になってしまった」ドイツ・ブンデスリーガ第7節 ボルシアMG-マインツ

現在ヨーロッパリーグとの掛け持ちながらリーグ2位と絶好調のボルシアMG相手に、マインツとしてはアウェイで1-1のドローに持ち込んだ事を喜ぶべきなのだろうが、内実は本当に耐えるばかりの試合で、アウェイチームとしてはラッキーなPK判定で何とか勝ち点を拾った感じだった。

何しろボルシアMGのメンバーは、W杯でも活躍したスイス代表ジャカ、目下ブレイク中のドイツ代表クラマーにクルーゼ、若手期待のヘアマン、そしてトラオレやラファエウなどそうそうたる攻撃陣が揃っており、しかも彼らをローテーションで使えるだけの選手層と、現在のチーム力で言えば明らかにドルトムントを上回る戦力を誇っている。

戦術も極めて攻撃的で、マイボール時にはほぼ4トップな状態にまでサイドを高く上げて攻め立て、守備ではドルトムントのお株を奪うようなゲーゲン・プレッシングを展開、中盤の4人が相手のボランチやSHに激しくプレッシャーをかけてフリーなパス出しを許さない。

マインツは強力なボルシアMGの攻撃に対し、4トップに対して1人余る5バックにした5-4-1のフォーメーションを敷き、あわよくばカウンターと行きたかったところなのだろうが、オランダのような5バックとは違って相手のクサビに強く当たりに行かず、あくまでも5バックはラインで並んで4人がバイタルの侵入に対して付いて行くリトリート主体の守備なので、マインツはほとんど高い位置でボールを奪う機会が無かった。

そうなると当然、頻繁にオーバーラップを仕掛けるボルシアMGのSBに中盤のSHが引っ張られて下がってしまい、9-0-1のような形になって岡崎が完全に孤立。本来カウンターで使うべき相手SBの裏まで誰も行けないので、岡崎は常時CB2人にガッチリと囲まれた状態になってしまってボールにすら触れず、ひたすら相手ボール時にCBを追いかけ回す仕事だけをこなしていた。これでは得点しろと言っても到底無理な話である。

やはり岡崎は絶対的なスピードがあるわけじゃないので単なるヨーイドンでは難しく、攻守の切り替え時に相手より素早く反応して先に触ってナンボの選手だから、味方が近い位置に居てくれないと意味が無い。逆にボルシアMGにしてみたら、岡崎さえ抑えれば全てマインツの攻撃を封じ込められるわけで、岡崎にとっては最もしんどいマッチアップになってしまったと言える。

全く機能しなくても最後まで使われるというのは、それでも岡崎だったらたった1つのチャンスに決めてくれるかもしれないという監督からの信頼の証なのだろう。そう考えるとかなりすごい事なんだけどね。

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