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「清武と酒井宏樹が代表招集されなかった理由とは?」ドイツ・ブンデスリーガ第6節 シュツットガルト-ハノーファー

シュツットガルトの酒井高徳がアギーレジャパンに招集されたのに対し、清武と酒井宏樹のチームメイト2人が揃って落選となってしまったハノーファー。その結果に呼応するように、ホームのシュツットガルトが内容でも終始上回り、多くのチャンスを逃したものの69分にCKから得点をもぎ取りそのまま逃げ切った。

ハノーファーはここまで3位、対するシュツットガルトは最下位タイと対照的な成績になっていたが、この試合ではシュツットガルトの両SBが終始上がりっぱなしという超攻撃的なサッカーを展開、酒井高徳はほとんどウインガーのように何度もサイドを駆け上がって高い位置でボールに絡んだのに対し、当然ながら酒井宏樹は防戦一方でほとんどオーバーラップを出せず、2列目の左で先発していた清武もサイドの低い位置に押し込められてなかなか良い形でボールに触れない。

後半になってシュツットガルトの勢いが落ち始め、ようやく清武が前に出て来てトップ下のような位置でボールに絡み始めてからハノーファーにリズムが出て来て、ゴール前でのこぼれ球に反応した清武がゴール右の角度のないところでGKと1対1になったが、清武はシュートを選択せずマークが2人ついていた中の味方に折り返してクリアされ、絶好のチャンスをものにできず。そして再びシュツットガルトが連続攻撃を仕掛けるととうとう耐え切れずに失点してしまった。

清武については判断やテクニックは一流のものを持っているのだが、それを常時前面に出せないと言うか、前半1度あったように真ん中をドリブル突破してシュートを放ったかと思いきや、上記のようなシュートチャンスで打たなかったりと、2割の積極的な清武と8割の消極的な清武が混在してしまっている印象がずっと続いている。香川のようなターン、本田のようなキープ力、岡崎のアジリティのように個人で局面を打開する術が無く、相手と自分の位置や体勢にプレイが左右されてしまうのが弱みであるように思う。いい加減殻を破らないと、いつまでもドイツ中堅代表スタメン未満の存在に落ち着いてしまいかねない。何とかブレイクして欲しいのだが。

そういう意味では両酒井ももどかしい部分はある。酒井宏樹は、当初のような下手なポジショニング、食い付き過ぎが無くなって守備は安定したのだが、すっかり攻撃の回数が減ってしまって迫力半減。1対1が激強と思ったらウルグアイ戦のように単純なポカを犯す。壁を破れる潜在能力はあるのにぶつかる前に躊躇してしまっている感じ。もっと突き破るような思い切りが出来ないものか。

逆に何も考えずに突き破りすぎているのが豪徳の方。最初から今までずっとひたすらサイドを猪突猛進、1対1の守備が軽くてあっさり交わされてしまう悪癖もずっと残ったまま。一時はミランからオファーがあるんじゃないかと噂があったぐらいに輝いていたのだが、そこからプレイスタイルの幅が全然広がらないままで相変わらず走ってばかり・・・だんだん悪い意味で頑固なドイツ人化して行っているような気がする。

アギーレ監督の選考を見ていると、あくまで現時点では、長谷部や内田のように落ち着いて気の利いた選手よりも、激しく自分のキャラクターをプレイに出す選手、競争意識を高く持っている選手のほうが好まれているのかもしれない。そういう意味ではこの清武や酒井宏樹、大迫が選ばれなかった理由も何となく分かるような気はする。

ともかく、日本代表の中堅である彼ら3人が成長してくれないことにはロシアW杯に向けてのレベルアップにもならないわけで、選出どうこう以前に何とか今シーズンは全員が一皮むけてくれないことには困るんだよなあ。さてどうしたものか。

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