「吉武サッカーにプラスアルファをする男」アジア大会サッカー男子 グループD 日本-ネパール

昨日はお彼岸の墓参りのために京都までサイクリングをしていたので、当然ながら帰ってきたら疲労困憊、かなりうつろな頭で試合を見ていたので詳細については省略、つーか覚えてない(笑)。

ネパールが4バックという名の実質的にはSHがDFラインまで守備時に下がる6バックで徹底的に日本のスペースを潰してきたのと、日本が最初から中島をトップ下に配置した4-2-3-1で臨んで来た事もあって、ほとんどネパール陣内でショートパスを回す攻撃に終始していたように見えた。

その、バイタルに人がちょこちょこ出入りしてパスをつなぐサッカーに妙なデジャブがあるなと思ったら、実は彼らは吉武監督がゼロトップ・ポゼッション戦術を用いてU-17W杯でベスト8に入った「94ジャパン」のメンバーが多く入っていたという事実に今更ながら気づいてしまった。

以前のエントリーでその金太郎飴サッカーに対して疑念を持った文章を書いたわけだが、当然ながら日本全国それオンリー、世界相手でもショートパスだけで勝負するという方針が問題なわけであって、パスの技術を高める事自体に問題があるわけではない。ネパール戦は、その吉武サッカーの功罪がはっきり見られた試合だったように思う。

確かに、日本は中島を中心としてミス無くボールは繋ぐんだけど、ネパールの守備を個人で振り切るという事が出来ないので、結局はゴール前でバックパスをしてからミドルを撃つという形しか作れない。しかしそこに鈴木武蔵という異質な存在が入る事で、単調な攻撃にアクセントを付ける効果が出ていた。

日本のちびっ子テクニシャンは縦を切られるとそのままパスを選択してしまうのに対し、鈴木の場合はボールを受ける時はスピードに任せて裏を取るか、足元で受けても次の瞬間トラップかドリブルでまずマーカーを振り切る動きをするので、ネパール側にしてみたらコースを切るだけじゃなくて厳しくマークをする必要が出て来る。

その鈴木が裏取りを決めた3点目はもちろんだが、2点目もポストプレイに下がった鈴木にネパールの守備が食いついてしまい、そこに出来たスペースへ中島が走り込んで鈴木がスルーしたボールを受けて決めたもので、いかに鈴木がネパール守備のバランスを崩す存在になっていたかを示すものだ。

イラク戦では相手のフィジカルとスピードに苦戦して思った活躍が出来なかったが、ベスト8で対決するOAを含めた韓国との試合の鍵を鈴木が握っている事は間違いないだろう。