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「香川、岡崎そして丸岡、それぞれの成長の証」ドイツ・ブンデスリーガ第4節 マインツ-ボルシア・ドルトムント

香川にあまり見せ場が無かったのは残念だったが、岡崎が決勝点となる先制ゴールを決め、ドルトムントではセレッソからレンタル移籍している丸岡が80分からブンデスリーガデビューと日本人にとってはいろいろと楽しい試合だったね。

ドルトムントは、フライブルク戦で2列目の右に入ったムヒタリアンに代わってオーバメヤンが入ったのだが、どうもオーバメヤンはパス交換でリズムを作るよりはスペースに突破したがるタイプで、しかも1トップのラモスもどちらかと言うと短いパスで崩すよりはドリブルするかサイドに振ってから自分が飛び込むような、2手先のシュートから逆算したプレイを考える傾向にあり、短いダイレクトのパス交換でチャンスを作ろうとする香川とはどうもリズムが合っていない。

そして香川自体にもフライブルク戦の復活劇で警戒されたのか終始きっちりマークをつけられ、相変わらず自分だけのリズムでキープしてパスを出したがるヨイッチ、縦パスの概念がないベンダーからはほとんどボールが供給されず、右SBのピシュチェクが一番素直に香川へ縦パスを出しているという矛盾。

ただ、マンUに入るまでの香川だったらそういう時にはプレッシャーから逃げてほとんどボランチの位置まで下がって無理やりボールに触ってごまかしていたのだが、この試合ではタイミングが合わずにオフサイドに引っかかりはしたものの、2列目から積極的に前線やサイドへと飛び出して前線2人のサッカーに応じたプレイを心がけていたのはイングランドで成長した部分ではないかと思う。

香川自身の調子については、スタミナ的にはまだまだだしスタジアムのピッチが悪くてパスがぶれる事が多かったが、香川らしい繊細なボールタッチが戻って来つつあるのは心強い。ドルトムントはとうとうムヒタリアンまで怪我をしてしまったので、これから継続して香川が使われる事は間違いなく、十分これからチームにフィットできると思う。

岡崎については得点はもちろんの事、この試合では巧みなポストプレイが非常に光っていた。それは単にスキルが上がったのもあるが、前半から鋭い飛び出しを見せた事でドルトムントDFが警戒して岡崎とある程度距離を取るようになり、それを逆手に取って前半の終わり頃から裏抜けよりもポストに入る動きを増やして味方の押し上げに貢献、そしてPA内では縦では無く横の動きでマーカーの視界から消えるという、岡崎らしからぬ(?)駆け引き、頭脳プレイが生きた結果ではないかと思う。もう日本代表でも1トップの1番手でいいのではないだろうか。

最後に丸岡。試合に出て来た時は、ドイツで何を食ってるのか18歳の日本人とは思えない豆タンクのような体格にまず驚いてしまった。明らかに香川よりもごついし、上半身の太さなんか柿谷の倍はあるんじゃないだろうか(笑)。でもプレイは香川のような素早いターンと出足、シンプルなパス出しが光り、ボールへの反応もかなり早い。正直、攻撃だけで言えばヨイッチよりも(以下略)。ドルトムントでの起用はボランチだがギュンドアンのようにマルチなポジションで使えそうなポテンシャルを感じる。怪我をしてるがケルンの長澤と共にここ1~2年の間は是非注目して見てみたい選手である。

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