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「先行きに明るさがある柿谷、一方の久保は・・・」スイス・スーパーリーグ第7節 バーゼル-ヤング・ボーイズ

スイス・スーパーリーグでは初めての日本人対決となったバーゼルとヤング・ボーイズの試合。残念ながら両者ともに先発スタートとはならず、柿谷は29分、久保は9分間のみの登場になってしまった。

この試合でまず驚いてしまったのは、ヤング・ボーイズの守備戦術のいい加減さ。フォーメーションは3-4-3で守備がマンマークベースなんだけど、中盤がCBと全く連携が取れておらず、1点目はCBが左右にマークで付いた間をボランチが誰もカバーせず、あっさりとフリーで抜け出されて失点、シュトレラーの2点目もボランチ2人が両方高い位置に上がってバイタルがら空き、そこに入ったガシからやすやすとパスでつながれたもので、前半のうちにバーゼルが4点取っていてもおかしくないザルっぷり。

しかしバーゼルも盤石な試合運びからは程遠いもので、守備は3バックながらゾーン・ディフェンス色の濃い戦術で中盤とコンパクトにまとめようという意思は感じられるんだけど、攻撃陣にゴツくて男臭い連中を集めたヤング・ボーイズは、ロングボールを放り込んではフィジカルで中盤を突破し、セカンドボールを拾ってはクロスやセットプレイに飛び込むという、どっかの国のチームが良くやられる我々にはお馴染みのパターンでピンチを何度も作られ、かろうじて1点に押さえたままで青息吐息。

久保は今ではすっかりサブでの出番が定着してしまったが、確かにこういう攻撃パターンで久保が貢献できることは限られており、この試合でも86分に投入はされたものの、ロングボール主体の攻撃の中では守備のカバーで走ることしか出来ず、ほとんどボールに触れず終いで終わってしまった。彼自身がトップコンディションではないのは確かだろうが、正直やってるサッカーを考えるとこのままチームに留まってもあまり未来が明るいとは言えない。次の道をそろそろ考えるべきかもしれない。

逆に柿谷は、ちょうど相手が前がかりになってスペースが出来ていた時に投入され、いきなり左サイドを抜けだしてカットインからシュート、これをゴンサレスがうっかり触ってしまってノーゴールになってしまったが、その後にさっきはゴメンネとばかりにゴンサレスからプレゼントパスをもらってゴール。それ以外にも、彼らしい「狙い」のある攻撃が随所に見られ、スペースがあれば超一流の選手であるところを見せていた。

さらにそれだけじゃなく、今までの試合に比べると裏への抜け出しに躊躇が無くなり、シュトレラーへのロングボールに対しても待つだけなじゃくて裏で受ける事を意識した動きが出来ていたのも注目点で、戦術的な課題をまた一歩消化できつつあるように思う。乾とは違って、変に自分のスタイルにこだわりが無い素直さが柿谷の良い所でもあるので、このままどんどん吸収して行って欲しいところだ。

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