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「スペインリーグに日本人が向かない理由、逆にハーフナー・マイクが重宝される理由」スペイン・リーガエスパニョーラ第1節 レアル・マドリー-コルドバ

WOWOWには入会していないのでチャンピオンズリーグ以外でスペインリーグを見る機会はほとんど無いんだけど、たまたまWOWOWでこの試合を無料放送していたのでハーフナー・マイクが先発したレアル対コルドバの試合を見てみた。

で、試合を見始めてまず思ったのは、ハーフナー・マイクがどうこうよりも、日本人がスペインでなかなか活躍できない理由はスペイン人選手のテクニックが日本人の上位互換だからと言う風に言われていたけど、本当はそういった攻撃面の話じゃなくて守備面にあるのかもしれないな、という事であった。

W杯での惨敗を受けて日本人にはゾーン・ディフェンスの素養が足りないと言い続けていたにも関わらず、欧州リーグが始まるとドイツを見てもイタリアを見ても、イングランドでさえも正統的なゾーン・ディフェンスを構築しているチームが無くてポリシーが揺らぎかけていたんだけど(笑)、コルドバはまさにスカルトゥーラとディアゴナーレが徹底されて2ラインが極めてコンパクトなゾーン・ディフェンスを敷いていたのだ。

ドイツやイングランドのように守備選手が大柄で1対1をフィジカルとリーチで止められるのなら組織的なゾーン・ディフェンスは必要無いのかもしれないが、やはりスペインや日本の場合はコンパクトで連携した守備組織が必要なのだなと再確認すると同時に、ここまで高度に組織化されたスペインの守備に、若年層で訓練を受けていない日本人の中盤選手が馴染むのは難しい事も痛感させられる。

さてコルドバのゾーン・ディフェンスだが、レアル戦では右ウイングのベイルは比較的放置して、クリロナのほうに専門のマークを付ける5-4-1とやや変則的な形にアレンジしており、しかもご存知のようにハーフナー・マイクが前線からプレスをかけまくる方ではないので、序盤は鈍かったレアルのボール回しが活発化するとDFラインが上げられなくなって低い位置に押し込められ、レアルのセットプレイが増えてベンゼマに押し込まれてしまった。

ハーフナー・マイクはスペインに行って何か変わったかと思いきや、味方がボールを奪っても前線へと走りこむことはせず、カウンター時にも平行して走らずに味方が追い越すことを傍観するなどオランダ時代と変わらずインテンシティの低いプレイで攻撃の流れには乗れていなかったのだが、後半になると味方もハーフナー・マイクの使い方が分かってきたようで、とりあえずハーフナー・マイク目掛けて適当にボールを飛ばした後のこぼれ球を拾う形を見せ始めていた。

日本代表では遠藤を筆頭として確実にボールを受けられるポジションでないとパスを出さない選手が多く、それがハーフナー・マイクや豊田のような選手を生かせない原因になっていたのだが、セルヒオ・ラモスにビッチリマークをされながらも3回に1回は競り勝てる選手は世界でもまれなわけで(笑)、要は使い方次第でどうとでも生かせる選手じゃないかと思う。

ハーフナー・マイクが後半21分に下がった後、シスコという選手が代わりに入っていろいろ活発に走り回っていたが、結局コルドバの惜しいチャンスはもっさりしていたハーフナー・マイク絡みでしか生まれなかったように、彼の異質な才能は意外と今後も重宝されるのではないかと思った。WOWOWが見られないのは残念だが、試合にたくさん出てスペインに馴染み、代表のためにもさらにインテンシティを身につけて欲しいものだ。

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