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「悪い時の日本代表という表現では足りない泥沼」ドイツ・ブンデスリーガ第1節 パダーボルン-マインツ

開幕からいきなり岡崎が1得点&ロスタイムの同点PKゲットという活躍で、本来は喜ぶべき結果なはずの試合だったのだが、見た後には砂を噛むような先行きに不安ばかりを感じる内容であった。

マインツの新監督のヒュルマンド氏が目指すサッカーはどうやらポゼッション指向のようなのだが、昨シーズンはトゥヘル監督の元で一丸となったプレス&ショートカウンタースタイルで結果を出したチームには明らかに馴染んでおらず、SBがあまりオーバーラップしないので大破綻までは行かなかったが、まあ日本代表の悪い時のようなかったるい似非ポゼッションサッカーを見せつけられてしまった。

対するパダーボルンはディシプリンとハードワークを絵に描いたようなサッカーで、守備ではきっちり4-4-2のコンパクトなブロックを作ってマインツを待ち構えると、マインツ2列目のク・ジャチョルは狭いスペースの中を足元でこねくり回してはボールロスト、ジュリチッチは終始軽いプレイでやたらとスルーパスを狙ってはカットされるのみ、ブロシンスキはバランスを取っているだけで存在感が無く、試合序盤はそれなりにスペースを突く攻撃が見られたのだが、パダーボルンが慣れてくるとすっかり沈黙してゾーンの先へと誰もボールを運べなくなってしまった。

それでも34分にガイスのFKがポストに当たった跳ね返りを岡崎が押し込んで先制すると、その直後は良いリズムを見せたのだが一瞬で終わり、4分後にそのガイスがナイススルーパスなバックパスミスをやらかして同点にされると、その後は各選手がかろうじてパスをつなぐだけが精一杯な状態で全く岡崎のところまでボールは届かない惨状に終始。

終盤になるとさすがにパダーボルンのプレッシングが落ちて来て、サイドチェンジからパク・チュホのオーバーラップで攻め手を作るもののクロスは簡単に弾き返され、逆に87分には右クロスからパダーボルンに逆転のヘディングを決められて絶体絶命。しかしロスタイムにパワープレイのこぼれ球に岡崎が抜け目なく反応、トラップ直前に体ごと倒されPK。これで何とかかんとかマインツは同点に追いついた。

いくらカウンターからポゼッションへの転換が難しいとは言え、昨シーズンに主力だったチュポモティングのフィジカルとキープ力、ニコライ・ミュラーのスピードと献身性を両方失い、代わりの選手がほぼ幽霊かロストマシーンという状況では元のカウンターに戻してさえ展望が持てないのが正直なところ。その昨シーズンでさえ攻撃の組み立ては岡崎の飛び出しからがメインだったのに、今はそれを活かすプレイがほとんど無くなり、岡崎の存在意義さえ怪しくなっている。

1試合を通して見たのはこれが初めてなので今の時点で結論は出せないが、あと2~3試合して向上点が見つからなければバッサリ監督を斬ってしまうべきだろう。

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