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「チームまるごとインテンシティが足りない」J1第20節 徳島ヴォルティス-横浜Fマリノス

徳島の試合を見る度に「厳しい厳しい」と書いているようで気がひけるのだが、現在5試合勝ち星なしの横浜Fマリノスを迎えてのホーム戦でも0-3で完敗。ダントツ最下位という状態から這い上がれる光明は見つからなかった。

徳島の守備はこれはもう完全な5バック。そして中盤には守備範囲の広いエステバンを獲得し、一応形の上ではきっちり守ってカウンターというセオリー通りの選手起用・・・なんだけど、1点目はそのエステバンの出した足に当たったボールがラフィーニャへのスルーパスのような形になってしまってPK、2点目は村松がボール処理にもたついたところを奪われての失点と、自らのミスで2点を差し出してしまったのではどうしようもない。

ただ、それは単に不運や個人のミスという話だけではない。W杯のオランダや柏の守備を見ると5バックの場合はまず3人のCBが中盤で相手のクサビに対してガツンと当たることが求められ、それによって相手のボールコントロールを狂わせ、そこに4人の中盤がフォローに入る事で高い位置からのカウンターを可能にしているのだが、徳島はクサビへは寄せても当たる事が少ないので、結局バイタルでつながれてしまうためにDFラインがズルズル下がってしまい、中盤も単にスペースを埋めるだけになってしまって低い位置でしかボールが奪えない。

1点目のシーンも、後方からのドリブルに対して中盤でプレスがかけられず、単に待ち構えた状態から足を出さざるを得なかったがためのミスであり、それ以外にも横浜のパスの出し手にも受け手にもプレッシャーがかかっていない状態が多くて、横浜は容易にサイドやバイタルに攻めのパスを出すことが出来てしまっていた。これでは失点は単なる時間の問題である。

インテンシティの欠如は攻撃についても同様で、せっかく高い位置でボールを奪う数少ないチャンスがあっても、少しコースを塞がれるとバックパスを選択してしまう。個人能力に欠けるのだから遅攻を選択しても得点につながる事はまれで、精度が低くても相手の守備が揃わない内に攻め切ったほうがまだ可能性があると思うのだが、日本人の悲しい習性なのかついつい安全策を選んでしまう。途中からアドリアーノが入った事で多少強引さが加わってあと一歩まで行く場面は作れたが、彼1人だけで3点差をひっくり返せるわけではない。チーム全体でインテンシティを高める意識改革を行わないと。

そんな感じで横浜Fマリノスについてはそれほど書くことが無いんだけど、ラフィーニャの飛び出しに長いボールを合わせる組み立てが増えたぶん、齋藤がボールを持てる回数が減ってしまった。齋藤も柿谷と同様に、縦に早い攻撃の中でどうやってボールを呼び込めるか。ボールが足元に来れば活躍できるのは分かっているのだから、海外を目指すのであればその部分をもっと突き詰める事が求められる。

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