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「アギーレがダメだったらネルシーニョという手が」J1第19節 横浜Fマリノス-柏レイソル

Jリーグ再開後は出入りの激しい試合が続いたものの、スルガ銀行チャンピオンシップに勝利して意気上がる柏と、ここのところ勝ちが無くて調子に乗れない横浜Fマリノスの対戦は、横浜が素早いダイレクトプレイと個人技で2点を奪ったものの、得意なはずのセットプレイから柏に2点を追いつかれて痛み分けのドローとなった。

まずはいつもの守備チェックから入ってみると、柏の5バックはW杯以降に見た試合の中では、欧州リーグを含めて最もオランダ代表のサッカーに近くてちょっと驚いてしまった。まず後ろの5バックはかなり早いタイミングからマンマークを意識した動きになっていて、クサビのボールにはラインから10mぐらい離れていてもガツンと当てに来る。中盤はFWも含めた4人がフラット気味に並んでパスコースを限定する事でDFのマーキングを助け、バイタルに進入するボールには素早くカバーに入ってサンドする。そしてボールを奪うと大きく早い展開で相手ゴール前に迫る。うん、ロッベンがいないだけでまさにオランダ代表だ。

ただ、この試合はミッドウィークのスルガ銀行チャンピオンシップの激闘から中2日というスケジュールが響いたのか、柏の動きにキレがなくてマークする初動が鈍く、1点目は中央にフラフラと出て行った中村俊輔を見逃してノールックパスからチャンスを作られ、2点目は齋藤へのマーキングが後追いになってしまってドリブルで振り切られたのが残念だった。

とは言え、極東の地にいながらしっかりW杯戦術をキャッチアップしているネルシーニョ監督はやはりさすがである。日本代表にはアギーレ監督が昨日就任したが、短期的にチームを作り上げる手腕は買われていても、長期政権になるといろいろと問題が出て来るという噂もあり、その場合はネルシーニョ監督の登板というのも現実的な選択になるのではないだろうか。

さてホーム横浜のほうは、ぱっと見の守備は4バックのゾーンで、例えばSBが前に出たらSHかボランチがカバーに入る縦の関係はあるようだが、誰かがマークに出たらそのスペースを横方向に詰める連動性がなく、DFもバイタルエリアに入った相手選手をマンマークに近い形で見るのでDF4人の距離がバラバラになりがちで、そこにボランチやSHが入ってDFラインに6人が吸収される場面が散見される。まあJリーグに多いなんちゃってゾーンだよね。

ザックジャパンと同様に中盤にある程度自由が与えられているおかげで、中村のパスとラフィーニャのボールを引き出す動き、齋藤のドリブルで魅力的な攻撃を見せられるのだが、好調時に比べると守備陣と攻撃陣が離れて間延びしており、バイタルとサイドにどんどん侵入されて何とか低い位置で人数をかけて跳ね返すのだが、その分柏のセットプレイが増えて最後には追いつかれてしまった。

とにかく横浜は好調な攻撃に合わせてDFがもっと押し上げるのか、それとも自由をある程度押さえてコンパクトなゾーンを作る事を優先するのか、方向性をはっきりしていかないと下手をするとこのままズルズル行ってしまう危険性があるように思う。

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