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「まだお尻でっかち状態のインテル」インターナショナルチャンピオンズカップ グループA インテル-ローマ

レアル・マドリーやマンU、マンC、ミラン、リバプールなどビッグクラブが参加して行われているアメリカでのPSM。その中のインテル対ローマ戦で長友が先発したので、この試合をまず見てみることにした。

このブログを見ている方はご存知かと思うが、W杯以降は守備組織に注目して試合を見るのをテーマにしている。その点で言うと、インテルはかなりベタなマンマークディフェンスに近いやり方である事は間違いない。

まず相手がDFラインでボールを持つと、ボールと同じサイドにいるインテルの中盤選手は、自分と近い相手にほぼマンマークで付いてパスコースを消す。そしてクサビを入れるボールに対しては、どんなに距離があっても必ずCBの1人が当たりに来る。3人のCBは中盤でプレスがかかっているうちは積極的に押し上げるという程度の意識で、あまりラインを確認せずに結構ルーズなポジションを取り、サイドの高い位置で基点を作られたらさっさとPAの中に入って相手選手とボールを視野に入れて待つ。

サイドでの基点以降はコートジボワール戦後半の日本と守り方としては大きく変わらず、実際にヴィディッチがラインから外れた状態でサイドからクロスを打たれ、コースが外れたから助かったがデストロに完全フリーでヘッドを打たれた場面があり、やはりマンマークが甘い状態で引き過ぎる守備は脆いなと思わされたのだが、ザックもそうだがオフサイドトラップに頼らないところがイタリアらしいなという印象。

さてインテルの黄金時代を支えたベテランが一気に抜け、特に攻守の要であったカンビアッソが抜けた穴をどうするのかという点に視点を移すと、この試合でアンカーに入ったエムヴィラが守備範囲の広さを見せてカバーリングに奔走、これも新鮮力のヴィディッチが積極的にラインを上げてコンパクトさがキープされ、インサイドハーフに入ったクズマノビッチとジョナタンも無難なプレイを見せた。エムヴィラが高い守備力を見せているので、おそらくスタメンになるだろうコバチッチやグアリンも持っている攻撃能力を出せるのではないだろうか。

安定感を増した守備陣に比べると前線はいかにも心もとない。イカルディは得点は決めたが相変わらず試合中に消えがちでコンスタントな能力が発揮できず、トップ下でスタメンのボッタや交代で入ったラクサルトはいつ居たのと聞きたくなるぐらい存在感が薄い。サウサンプトンのオスバルドが移籍するらしいが、パラシオ頼みという台所事情は大きく変わる事は無さそうだ。

この試合で右WBに入った長友は、左から崩して流れてきたボールをダイレクトでクロスバー直下に叩き込むゴールを決めてみせたが、今期も逆サイドからのボールに走りこんで決める長友の得点パターンに期待される部分は大きいはず。ジョナタンよりもクズマノビッチの方が上がり目だったので攻撃の回数自体は多くなかったが、左WBのドドーも運動量は持っているので両サイドで数的優位を作れるようになると面白いチームになるのではないだろうか。

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