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「次世代代表もあまり守備は期待できそうにないのか」J1第17節 ヴィッセル神戸-ガンバ大阪

さて、今日からぼちぼちサッカー世界の住民に戻ることに。てなわけで、手始めは録画してあった前節のJ1からヴィッセルとガンバの試合。

結果的にはガンバが5-1と大勝したのだが、内容的にはどちらもオープンな打ち合いという感じで両チームに質的な大差があったわけではなく、ガンバのパトリックがチームにとっては完全に当たりだったのと、GKの出来の差というところが2大原因というところだろうか。

特にガンバのパトリックは、ダヴィに代表されるJリーグのフィジカル系ブラジル人にしては珍しく周りが見えていて球離れが早く、ワンタッチで確実にポストプレイをこなして中盤にボールを渡し、自らは素早く動き直してボールを受けるポジションに向かう流れがスムーズで、宇佐美を筆頭に足元サッカーになりがちなガンバの攻撃にスピード感とリズムを加えていた。

それに比べると神戸は各選手がボールを持つ時間が長く、シュートは撃つんだけど早いパスでガンバの守備を崩せていないので東口にとっては比較的単調で守りやすかったはずだ。W杯の試合はずっとパスが速くて判断がシンプルなので目指すレベルはまだまだ遠い。ただ、小川のスピードや森岡のテクニックなどアギーレ率いるロシアW杯を目指すメンバーに入って来そうなタレントは見ていて楽しみな存在である。

ただ、両チーム共に攻撃陣に比べると守備は世界レベルからはほど遠い。W杯が終わって以来、試合を見る時は各チームのゾーンディフェンスのクォリティについて注目して見ているのだが、ガンバもヴィッセルも監督がどこまでゾーンディフェンスを重要視しているかは分からないけれど、ゾーンディフェンスの基本がまるで出来ていないように見えた。

まず、フォーフォーツーのゾーンディフェンスでは最終ラインの4人が相手ボール時にフラットなラインを作るのが第一なのだが、その時点で前線の選手に引っ張られるなどして既にバラバラ。バイタルに入ってくる選手を1人がカバーに行き、他の3人が中に絞ることでフィルタが機能するんだけど、3人の位置が乱れているのでギャップを作るだけになってしまっている。

そして相手がサイドでボールを持った時には中盤の4人がL字の形に並び、ボールと逆サイドの選手が高い位置にいる事でボールを奪った後のサイドチェンジから速攻が可能になるのだが、両チーム共に低いままなのでサイドチェンジが出来ず、結局狭い中を通すはめになってせっかくのマイボールがまたミスになってしまう。特にガンバは遠藤のポジションが完全にフリーダムなので中盤で全くゾーンの組織が機能していない。

もっともボールと反対サイドの選手が高い位置を取れないのも仕方ない面はあって、本来ならば後ろのSBの位置にいる選手が1対1で相手を止めたりディレイをさせないといけないんだけど、ガンバの5点目でサイドからあっさりクロスを上げられた橋本の対応を見ても、SHが戻って数的優位を作らないと止めきれないという情けない現実がある。

もちろん90分の間にはちゃんとゾーンを作って対処している場面もあるんだけど、そうでない場面があまりにも多く、特に相手選手がサイドやバイタルの高い位置に入ってくるとあっという間にマークに気が行き過ぎて瓦解しているように見える。両チームには西野や岩波といった次世代のCB代表候補もいるんだけど、正直言ってこういうポジショニングがわやな地頭状態では厳しいかな・・・アギーレはこれでも何とかしてくれるんだろうか。

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