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「Fマリノスの10分間に一瞬世界が見えた」J1第12節 サンフレッチェ広島-横浜Fマリノス

W杯の中断期間を経てJ1再開最初の試合になったのは、ACLのために順延になっていた12節の2試合。ちょうど火曜のツールが休息日だったので、広島対横浜の試合を見てみた。

まあ、あちこちの観戦記等で直前まで見ていたW杯との違いを書かれていた通り、やはりJリーグの試合は攻撃への切り替えが遅いなと。選手がボールを持ってからどこにパスを出そうかと考えているので、その間にディフェンスが戻ってしまってスペースを埋めているので、そのタイミングではほとんど縦にパスを出す事ができない。

横浜なんかは、中村も齋藤も狭いスペースでパスを受けられる選手だと思うんだけど、マークを外すタイミングをパスの出し手が感じられないと、やはり受け手の方も動きが鈍くなっていくもので、いくら一部の選手がW杯やクラブW杯、ACLで脱日本レベルのタイミングが必要だと理解していても、チーム全体での意識を共有しないと再び皆でぬるま湯に埋没してしまうわけで、そういう部分の意識から変えていく必要がある。

その意味で良かった選手は、広島では高萩と山岸。高萩は縦の勢いを殺さないワンタッチパスでスピードに乗った打開策をトライしていたし、山岸はさすがオシムの薫陶を受けていただけあって、足がつるまで攻撃へと切り替える動きを欠かさず高萩のパスに呼応できていた。逆の意味で目立ったのは野津田で、横浜の勢いが上がって苦しい時間帯での投入だったのに、前線で全く基点になれずにそのままズルズルと流れに飲まれてしまい、期待の若手だけにいっそう残念であった。

横浜のほうは、後半途中までは正直言って攻撃陣では伊藤翔だけが唯一個人の力で打開しようという高い意欲を感じさせて、あとは全然ダメだなあと思っていたんだけど、先制点を奪われてから突然出足が良くなり、最後は中村がボランチの位置でピルロばりにガンガンとパスを出し、広島のラインが下がって空いたバイタルをどんどん突いて強引にこじ開け、齋藤のトラップからの同点ボレー、伊藤の逆転ゴールと見違える攻撃を見せた。

いや、横浜はラスト10分間のような攻撃が出来るんなら早くやれよ思ったんだけど、ケツに火がついてからではちょっと遅いよねえ・・・もっともっと、こういう攻撃が見せられる時間帯を増やす事が出来れば、世界は近づくしJリーグのファンも増えていく事だろう。Jリーガーだってやれば出来るんだから、本当に頑張って欲しい。

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