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ツール・ド・フランス第10ステージ「呪われた今年のツール」

序盤のステージは雨ばかり続いた上に石畳のパヴェという地獄を通らされ、優勝候補筆頭のフルームを落車で失うという痛手を被った今年のツール・ド・フランスですが、悲劇の連鎖はそれだけに留まりませんでした。

第8ステージからはヴォージュ山塊の山岳ステージが始まり、初日は良い天気の中でマイヨ・ジョーヌのニーバリとコンタドールがつばぜり合いを繰り広げ、これでいよいよ本当の戦いが始まると思って安堵していたら、またも豪雨に見舞われた第10ステージの峠下りでコンタドールが激しい落車、一度は走り始めてアシストの力で差を詰めようとしたものの、すねの骨を骨折したようであえなくリタイヤ。これで本格的な山岳の前に、ツールの優勝候補筆頭2名が居なくなってしまいました・・・

ジロ・デ・イタリアを優勝したキンタナはツールを回避してブエルタへの出走予定で、元ツールチャンピオンであるウィギンスはチームメイトであるフルームとの確執のため出場せずで、現在首位のニーバリに対抗出来る選手は果たしているのかと危惧しながら、コンタドールリタイア後の第10ステージを見ていたのですが、結局最後の登りでアタックを仕掛けたニーバリに対し、バルベルデやリッチー・ポートら、ニーバリに対抗できると考えられていた選手は誰も反応できず、ニーバリは先頭で逃げていた選手を交わしてステージ優勝。

最終的にはニーバリに対してライバルたちは20秒差まで詰めてゴールはしましたが、スパートじゃなくて皆淡々とイーブンペースで仲良く登って来たものであり、登坂力にかけてはニーバリに対抗できそうな選手は誰も居ないという事実が冷酷なまでに明らかとなってしまいました。せめて、かつてのエレーラやヴィランク、サストレのようなクライマーがいれば盛り上がるんでしょうが、フランク・シュレクも鳴かず飛ばずで脇役もろくな選手がいません。

ここからニーバリの牙城が脅かされるとしたら、ニーバリ自身の不調ぐらいしか考えられず、ツールは全日程の半分を残して既に純粋な勝負が着いてしまった感がありますね。それも自転車レースだという事は分かっていますし、もちろんニーバリに憎みや恨みは全くないんですが、日本がW杯で結果を残せなかっただけに、その直後の楽しみがこうもあっさりと奪われてしまうとガックリ来ます・・・誰かニューヒーローが出てこないかなあ。

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