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「ある意味、今大会を象徴するような守備試合」ブラジルW杯ベスト16 フランス-ナイジェリア

今大会で目立っているのは、コスタリカやオランダが見せている5バックのマンマークディフェンスで堅く守ってカウンターという反ポゼッションサッカーだが、4バックを使っているチームであっても、西アフリカ勢やアルゼンチンのように、SBがほとんど上がらないスタイルが目立っている。

この試合のナイジェリアとフランスもそういうタイプで、特にナイジェリアは基本的にDFの4人とボランチ1枚の5人の壁を作って上下移動させ、長いリーチと反射神経でボールにフィルタをかけつつ攻撃を遅らせ、そこに中盤が後からカバーする形でフランスの攻撃を封じ込めていた。

そして攻撃ではその他の5人が自由にポジションを変えつつ、個人のスピードを活かしたドリブルとワンツーで突破を仕掛ける・・・のがアルゼンチン戦で見せた形なのだが、フランスは前線の基点となる1トップのエメニケをきっちりとマークで消し、中盤の3人がムサの使えるスペースを徹底的に潰して隙を与えなかった。

フランスはやはり守備に隙を与えない相手では攻撃のアイデア不足が響き、ジルーの足元にはほとんどボールが入らずベンゼマも孤立、何とかヴァルブエナがドリブルで気を吐いていたぐらいで、前半の終盤にフランスが押していた時間帯がわずかにあったものの、互いの攻撃は完全に膠着してしまっていた。

後半からはナイジェリアの時間帯が続くものの、フランスはグリーズマンを投入した事で流れが変わる。それまでベンゼマが出来なかったSB裏への飛び出しで基点を作れるようになり、ナイジェリアは自陣へと押し込まれる時間が増える。そして70分からはフランスに怒涛のシュートチャンスが訪れ、ナイジェリアGKエニェアマが何とかファインセーブで防ぐものの、79分にそのエニェアマがCKの目測を誤り、手で弾いたボールがポグバの前に飛んでいき、これをポグバは難なくゴールへ押し込んでとうとうフランスが先制点。

もうこれでナイジェリアに反撃の気力は無くなり、ロスタイムにフランスのCKからのボールキープからヴァルブエナがスルッと抜け出し、グリーズマンが合わせたボールがヨボのオウンゴールを誘って試合終了。最後はいかにもアフリカ勢らしい諦めの早さで幕を閉じてしまった。

引いた相手への決め手不足が露呈してしまったフランスだが、次の相手はスイーパー・ノイアー(笑)でラインを上げまくるドイツが相手。単純な戦力比較ではドイツのほうが上かとは思うが、ドイツはアルジェリアと120分戦っているし、フランスにとってはかえってやりやすい相手ではないか。とにかく楽しみな対戦である。

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