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「日本が出来なかった攻撃のオンパレード」ブラジルW杯グループF ナイジェリア-アルゼンチン

試合開始3分と4分に互いが点を取り合うというクロスカウンターで始まった試合は、最後はアルゼンチンが力量通りの寄り切りを決め、裏の試合で勝ち点1のイランがボスニア・ヘルツェゴビナに負けてしまったので、この試合に負けたナイジェリアも予選通過となる大団円。

しかしこの試合で生まれた全得点は、全てが早いショートカウンターとセットプレイであり、とにかくセットプレイはことごとく決まらず、攻撃時は皆が本田にボールを預けて本田がえっちらおっちらボールをキープしようとしてはロストしていた日本とは正反対の形で、見ていてとても悲しい気分になってしまった。今大会の曲がらないボールであっさりコースに決めてしまうメッシってなんなの・・・

中でも、1点目のアルゼンチンが見せたダイレクトでの縦パスをディマリアがきっちりトラップで前を向き、シュートの跳ね返りをメッシが押し込んだ形、2点目のナイジェリアが見せた、前線のポストプレイから猛然と追い越すムサに合わせた形は、どちらも相手が守備を整える時間を与えない内に攻め切る攻撃であり、今大会のテーマとなりつつあるアンチポゼッションサッカーのお手本と言える攻撃であった。

それでもナイジェリアの場合は、まだ長いリーチと身体能力を活かした反応で4バックを高い位置に保ち、攻撃陣がスピードに乗ったドリブルを仕掛けるというお馴染みのスタイルで、ムサってこんな良い選手だったっけ?という点を除けばまあ予想の範疇なサッカーでさほど驚きは無かったが、アルゼンチンの攻撃にはかなり驚かされた。

アルゼンチンは4バックの両サイドがほとんど攻撃参加せず、ディマリアとメッシのドリブルを軸とした縦攻撃オンリーで、ボールがPAの幅から外に出ることがほとんど無い。現代サッカーでは必須とされる、SBの攻撃参加やワイドなクロス攻撃を無視した完全速攻特化型と言える。アグエロなんか、一応プレミアリーグ優勝チームのエース的存在であるはずなのに、このチームではほぼ囮としてだけの存在に成り下がってしまっている始末。

それだけ、今のアルゼンチンにおいてメッシとディマリアの存在が大きいかという事なのだろうが、このとことん中央突破なサッカーのみで優勝まで辿りつけられるのか、非常に興味深いところ。順調に行けば準決勝でオランダと当たる事になるので、メッシ対ロッベン、ファン・ペルシのエース同士の戦いが見ものである。

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