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「スアレスぐらい世界を足蹴に出来れば楽だろうね」ブラジルW杯グループD イタリア-ウルグアイ

本当は昨日のうちにこの戦評をアップする予定だったんだけど、総括がはてブをたくさん集めてしまったせいかサーバーの負荷が目いっぱいになってしまい、エントリーの更新作業がエラーで出来ず、結局今日に回してしまった。

その昨日の総括で偉そうに日本全体が力不足だと書いていたんだけど、正直なところ、香川と長友がもうちょっと冷静になって普段の力を出せていれば上に行けたかもしれないと思っている(笑)。まあ、彼らだけが悪かったわけではないので一概に戦犯には出来ないが・・・

彼らの場合は、単なるコンディション不良の本田とは違って、明らかにワールドカップに対して強い気持ちを持ち過ぎたと言うか入れ込み過ぎで、香川は終始顔がこわばってて超視野狭窄状態、コートジボワール戦の最初のプレイでバイタルで前を向きながら本田にバックパスというトンデモプレイからリズムを取り戻せないままに終わり。長友は日本の戦術は3バックだったのかと言うぐらいに上がりっぱなしで内田は必死で尻ぬぐい、当然相手も警戒して前を塞ぐのでスペースを突く動きが最後まで見られず、マークをかろうじて引き剥がしては精度の低いクロスを連発するだけだった。

もとから彼らは責任感や向上心が人一倍強いのだから、本番でむやみに日本の期待を一身に背負い込んだ気になってメンタルをオーバードーズする必要なんか無かった。長友は会見でも涙を見せていたらしいが、ただでさえインテルで頑張ってるのに、たかが4年間の3試合のためにそんなに重いものを背負う必要なんか無かったんだよ。

この試合のスアレスを見給え。決勝トーナメント進出がかかった大一番で、もし発覚したら一発退場&決勝トーナメント全試合出場停止、全国民から石もて追われて当分は帰国できなくなるという事態が予想されるにも関わらず、キエッリーニの肩に噛み付いてしまった。彼にしてみたら、国民の期待や世界の非難なんて肩に止まったハエぐらいにしか思ってないだろう(笑)。

そして他人の想いなんか我関せずなのはバロテッリも同様で、南米らしいウルグアイDFの手練手管にまんまと引っかかってイライラを募らせ、22分に全く必要の無いチャージをかましてイエロー、大会2枚目となって決勝トーナメントに進出してもベスト16に出られなくなってしまう事態に。試合後も代表引退が決まっているピルロとの話し合いも拒否したらしいし、日本人的にはあり得ないメンタルだ(苦笑)。

引き分けでもOKなイタリアは2枚目のイエローを恐れてバロテッリに代えてMFのパローロを投入、守備を強化する策に出たのだがこれが裏目に出てしまう。63分に、マルキージオが故意ではないが相手のすねを足の裏で蹴り下ろす形になってしまって一発レッド。

プランデッリ監督はインモービレに代えてカッサーノを入れて前線のキープ力を強化するものの、体力で勝るウルグアイに押される流れは続き、スアレスが噛み付き事件を起こした3分後の81分に、集中力を落としたイタリアは数的不利に寄るCKのマークのずれを防げず、ゴディンにフリーでヘディングを決められてしまい万事休す。イングランドに続いてグループリーグ敗退という結果になってしまった。

ウルグアイの試合巧者ぶりにやられてしまった形のイタリアだが、最も大きな敗因は怪我人の続出に尽きるだろう。特に中盤のデ・ロッシを怪我で欠いたためにマークされるピルロの役割をカバーできる選手がいなくなり、この試合でもピルロはプレッシャーを交わすためにほとんどDFラインの位置まで下がってパスをさばかざるを得ず、前後が分断状態になってしまった。これでは攻撃力も半減である。選手層の薄さが最後には響いてしまった形か。

これでウルグアイは逆転で決勝トーナメント進出になったが、勝ち進めるかどうかはスアレスの沙汰次第だろうな・・・と思ったら9試合出場停止でアウトだそうで。日本人的には、ここからフォルランが救世主となって活躍してくれると嬉しいんだけどなあ。

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