旧閑ガゼッタ

「バロンドールが居てもチームは崩壊する」ブラジルW杯グループG ドイツ-ポルトガル

グループリーグの第1節注目の好カードであるドイツ対ポルトガルの試合は、ご存知のようにポルトガルがぺぺの一発退場などで崩れ、ドイツが思わぬ大勝を飾るに至った。

改めて試合を見てみたが、序盤はポルトガルも自慢のパス回しからクリスチャーノ・ロナウドにボールを集めてチャンスを作るなどペースを握る時間帯はあったのだが、11分にポルトガルのペレイラがゲッツェに対し開幕戦の西村主審のジャッジで明確化されたユニフォームをつかむファールでPKを取られて出鼻をくじかれると、31分にはドイツらしいCKからのフンメルスの強烈なヘッドで2点目を決めて、ポルトガルにしてみたら何が起こったか分からないうちに2点という結果に。

そしてその5分後、手を使ったファールで痛がったミュラーに対し、ぺぺがコツンと頭突きを決めてしまって一発退場。これで完全にポルトガルの気持ちが切れてしまった。前半終了間際にミュラーが3点目を決めたのだが、このシーンを見るとポルトガル守備陣の陣形がバラバラで、ボールが後ろに戻ってようやくちんたらゾーンの形を取り始めたと思ったら、誰もミュラーの飛び出しについて行っておらず楽々とゴールを入れられてしまうザルっぷり。これでは追いつくチャンスも逃げてしまうのは当然である。

こうなるとドイツは楽なもので、数的優位を活かしてクリロナにガッツリマークをつけてチャンスメイクを防ぎ、78分にはシュールレのシュートを前に弾いてしまったポルトガルGKルイ・パトリシオのミスをミュラーが見逃さず、ハットトリックでドイツの大勝に華を添えた。

確かに試合はポルトガルのほぼ自滅によるラッキーはあったが、ドイツの布陣がミュラーの1トップにエジルとゲッツェの2列目、中盤がラーム、ケディラ、クロースというインテンシティを高めた布陣にした事も功を奏したように見える。今大会の特徴として、高温多湿、度重なる雨のために運動量と集中力が落ちてミスが増え、カウンターの精度も相対的に低いので守りを固めて逃げ切るという形がやりにくくなっている事が挙げられる。ミスを着実に拾って確実に運べるという部分では、ドイツが完全にポルトガルを上回っていたと言えるだろう。

ギリシャ戦を戦う日本にとっても、粘り強くボールを拾いつつパスコースを作って着実にポゼッションするサッカーの重要度が改めて明らかになったのではないか。

ポルトガルは予想外の大敗を喫した上に、ファビオ・コエントランとウーゴ・アルメイダを怪我で2人も失ってしまうという非常事態。裏のガーナ対アメリカはアメリカが勝利したので、大きな得失点差がついてしまったポルトガルは次のアメリカとの試合で引き分け以下だと非常に厳しい状況になる。いろんな意味で大ピンチなのは間違いない。