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「イングランドと日本の偶然ではない共通点」ブラジルW杯グループD イングランド-イタリア

本来であれば、日本戦の翌日は同グループのコロンビア対ギリシャの試合を分析するところなんだけど、いかんせん昨日の敗戦のダメージが大きくて未来の展望を考える気が起こらない・・・

ザックは選手にかなりガッガリしていたようだがそれも当然で、あれだけ南アフリカW杯の戦いを否定して来たのにいざ試合が始まってみるとすっかり同じ引きこもり、やられ方はドイツW杯オーストラリア戦と同じって、8年間で全然成長してませんがな。相手のボランチが下がってSBが上がっててプレスがかからなかったと言ってるけど、それは現在ではごく普通の戦術だし、相手のボランチもそんなに余裕をもった捌きをしてなかったので、十分嵌めるチャンスはあったと思う。なのに大迫と本田2人だけが追ってただけで誰も連動せず、それは単に勇気が無かった言い訳である。

しかも失点につながったシーンの香川から本田への横パス。数的不利に陥っている状態で攻撃に出ようとした場合、横パスはカウンターを食らう危険が高いから絶対にやってはいけないプレイであるはず。最初にせっかくバイタルでボールを受けて反転したのに、遠~い本田にバックパス、それもミスになってヤバイなと感じたのだが、そんな弱気と言うか最悪な判断をマンチェスター・ユナイテッド所属のエースがやってしまうところに、自分が苦しいから他人に頼って重圧を逃れようという、今の日本が抱える悪いチームワークが凝縮されているように思う。ここから立て直すのはそう簡単ではないよ。

と今のところは日本について何を書いても愚痴だらけになってしまうので、せめて気分転換に他グループのイングランド対イタリアを見たんだけど、正直悲しい慰めではあるけどイングランドも日本と同じような空回りなサッカーをやってたかなと。

マナウスの高温多湿な気候と荒れたピッチのため、イタリアはあまり前からプレスをかけず、ピルロはかなり低い位置にいてヴェッラッティやデ・ロッシとパス交換しながら時間を作り、ワイドに流れる動きをする味方に正確なミドルパスを通すことで試合を作っていた。それで押し下げられるイングランドは前線と後ろが分断され、ルーニーがかろうじてボールを散らしてつなぎ役になるだけで、他のメンバーは前後をつなげるアイデアもコンビネーションも不足していた。

それでも、スターリングのドリブルやスタリッジのスピードなど、前線のパワーについてはイタリアより優っているので、その勢いが持続すればまだ分からなかったのだが後半はすっかりペースダウンしてしまい、バロテッリの勝ち越しゴール後はあまりイタリアに反撃力を見せられなかった。ベインズの上がりを警戒したイタリアに、徹底して右サイド重視で攻められて最後には穴を開けてしまった点も日本と似ている。

自分たちのサッカーが出来ている時は良いが、相手との力関係や気候、戦術のミスマッチ等でそれが出来ない時にどうプランBに切り替えて実行できるか。そういう戦術やメンタル面の融通の効かなさというものが、イングランドと日本には現れていたように思う。

イタリアは良くイングランドを研究していたし、全体的に省エネで効率よい得点と試合巧者ぶりで、経験の差をイングランドに見せつけた。GKブッフォンの怪我もシリグがカバーして安心感があった。グループDは死のグループと呼ばれたが、日本が勝ったコスタリカに日本が負けたウルグアイが敗れるという波乱があり、1試合目にしていきなりイタリア断然有利の展開になってしまった。次のコスタリカには全力をぶつけてさっさと決勝トーナメント進出を決めてしまいたいね。

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