旧閑ガゼッタ

「大会は議論を呼ぶPK判定で始まった」ブラジルW杯グループA ブラジル-クロアチア

いよいよ始まったブラジルワールドカップ。開幕戦のブラジル対クロアチアは、通常であれば緊張感から凡戦になりがちなパターンなのだが、先制点が入ってからは非常にスピード感あふれる展開になり、西村主審のジャッジも試合の流れを読んだスムーズなもので、全体的には非常にレベルの高い好試合だったと言える。それだけに、後半25分に与えられたブラジルへの微妙なPK判定が大きな議論を呼ぶことになってしまったのは残念だった。

ブラジルは、強化試合で機能しなかったオスカルのトップ下を諦め、2列目の左からフッキ、ネイマール、オスカルと並びを変えた布陣で臨んで来た。対するクロアチアは、マンジュキッチが所詮出場停止のためにイエラビッチの1トップにし、トップ下とボランチにコバチッチ、モドリッチ、ラキティッチというテクニシャン3人衆を並べる手段に出て来た。

試合は、最初のジャブ応酬の後は当然のようにクロアチアが守備時は自陣に4-4-2のブロックを組んで堅く守り、ブラジルがゆったりとパスを回す展開で始まる。と、思った10分に試合は意外な形で動いてしまう。左サイドからの何でもないクロアチアのクロスがイエラビッチの足に当たってコースが変わり、マルセロが上手く反応できずにゴールに押しこむ形となるオウンゴール。

あまりの不運に呆然とするブラジルだったが、そこは大国の矜持で徐々に気持ちを立て直し、左利きではないSBのヴルサリコと攻撃的なSHであるオリッチのサイドを重点的に狙い、オスカルとダニ・アウヴェスのコンビで崩しにかかる。すると29分に、中盤でのボールの奪い合いを制したネイマールがドリブルで持ち込み、利き足ではない左足でシュートを放つと、ダフリ気味ではあったがボールはゴール右隅ギリギリに入って値千金の同点ゴールとなる。

後半はブラジルが攻めながらもクロアチアの守備は集中力を切らさず、両チーム共に交代選手を投入して膠着状態を打開しようという流れの中で、あのPK判定が起こってしまう。フレッジがPA内で足元にボールを受けた時にロヴレンがフレッジの体に腕を絡めると、フレッジは体をあずけるようなダイブっぽい動きで後ろに倒れる。そこに西村主審の笛・・・そしてネイマールが蹴るPKはクロアチアGKプレティコサが手に当てたものの、それがまた彼の体に当たって吸い込まれるアンラッキーで2点目が決まる。

クロアチアもめげずに反撃し、ハイボール処理にやや難があるブラジルの守備を狙ってどんどん前に蹴りこんでチャンスを作り、スコラーリはたまらずネイマールを下げて守備固めに走らざるを得なくなる。しかし、ロスタイムにブラジルが中盤でボールを奪ってカウンターを仕掛け、オスカルが日韓大会のロナウドを思い出させるGKの意表を突いたトーキックを決めて3点目。優勝本命のブラジルがクロアチアに苦しめられながらも勝ち点3で無事スタートを切った。

で、やっぱりどうしても話題は西村主審のPKジャッジになってしまうんだけど、個人的には”微妙過ぎた”判定かな~と思う。確かにロヴレンの手が体にかかっているが、フレッジの倒れ方が完全にダイブだったので相殺のスルーが適当だったのはないかと思う。とは言え、開幕戦のジャッジはある意味その大会の指針が示されるものであり、おそらくFIFAからは手を使ったプレイについては厳格にファールを取るという意向があったがゆえの判定であるように思う。その意味では、西村さんが体を張って基準を指し示したと言えなくもないわけで、次の試合での審判基準がさらに注目されるところである。つーか、吉田と森重は特に気をつけるように(笑)。

ま~とにかくサッカーファンにとっては楽しくもしんどい1ヶ月が始まった。皆さんも体調には気をつけて観戦頑張りましょう!