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「オランダというより来期のマンU、香川の起用法を占う」国際親善試合 オランダ-ウェールズ

ブラジルワールドカップの開幕が迫り、Twitterを初めとして(笑)いろいろあちこちヒートアップしている状態だけど、今から血圧を上げてしまっても日曜まで持たないので、6/5に行われたオランダとウェールズの親善試合を見てみた。

個人的な目的で言えば、W杯でのオランダがどうこうと言うよりも監督のファン・ハールが来期から指揮をとるマンUでどういうサッカーをやって来るのかを占う意味で注目していたのだが、その感触としては悪くない印象を持てたかなと。

オランダは今期ローマで大活躍したストロートマンが靭帯の怪我でW杯絶望となり、それもあってかスナイデルをトップ下にした4-3-1-2というフォーメーションにして来た。ファン・ハールと言えば4-3-3の信奉者というイメージがあったので、スナイデルは基本的にそこしか使えないとは言え、ファン・ハールが古典的なトップ下を置いたのはちと意外。そして2トップがファンペルシとロッベンというこれまた不思議な組み合わせ。つまり、守備をあまりやらない3人の前線と、フェル、ブリント、デ・ヨングの守備的3ボランチというわりかし前後の役割が分断気味なサッカー。

で、ファン・ハールはこれをどうつないで来たかと言うと、ボランチとディフェンスの7枚による徹底したハイプレス。ウェールズは、前半の途中こそ積極的にプレスがかかる中に選手が入り込み、ダイレクトで回してサイドへ抜け出す攻撃を見せていたが、その出足がいったん落ち始めると、アフリカンのように個でプレスを打開出来る選手がいないウェールズはどんどん自陣に押し込まれる結果になってしまった。

ただ、オランダもそんな低い位置でブロックを固めるウェールズを攻めあぐね、最終的に2-0で勝利はしたものの、得点はファンペルシによる角度の無いところからのシュートがこぼれたボールをロッベンが押し込んだものと、右サイドを抜けだしたロッベンのクロスにレンスが流し込んだもので、攻撃に関してはかなりの部分がスター達の個人能力依存だったのは確か。

戦術的にも、4-3-1-2はいまいち合っている感じではなく、スナイデルもプレッシャーがかかるトップ下ではボランチがしょぼいだけにパスがなかなか来ず、結局後ろに下がってボールをさばく機会が多かった。オランダは後半早々にファン・ペルシを怪我で欠き、最後はフンテラールを入れてスナイデルを中盤に下げた4-3-3にしたが、そこからはかなり選手がやりやすそうな感じだったので、本番ではそちらを基本形にしてくるかもしれない。

で、来期のマンU的に言えばシステムとしてハイプレスを押してくれるのは狭いスペースで働きたい香川としては好都合。ボランチがしょぼい、前線が豪華という意味ではオランダとマンUは似ているところがあるので、ワールドカップでの戦術がそのまま持ち込まれる可能性は決して低くないように思う。オランダのどこに香川が入るのか、想像しながら試合を見てみるのも一興だ。

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