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「MAJIMEとHENTAIの2つの顔を持つ日本」ブラジルW杯強化試合 日本-コスタリカ

とりあえず昨日の試合だし、既に得点シーンについては昨日のエントリーで書いているので細かい内容については省略。

コスタリカ戦を見終わってまず思った感想は、「日本も遠いところまで来たもんだ」という一言。つい先日に16年前に行われたフランスW杯のクロアチア戦を見ていたけど、あの当時も中田・名波・山口というセンスを持ったパサーはいたけど、DFの位置が低くてFWはただ頑張る人たちだけで、得点の匂いは全く感じられなかった。確かに相手のレベルや舞台は違いけど、それがここまでゴール前に5人ぐらい人が詰めて得点するチームになっているんだから、そりゃ日本のサッカーの急激なレベルアップに世界が驚くわけだなと。

で、そういう観点で見ると、前半の日本は内容的には良かったと言えるけど、まだその旧来の日本を引きずった”MAJIME”なサッカーだったのかなと。青山は積極的に縦パスを出し、大迫は前線で細かく駆け引きをしてそのボールを収め、大久保は切れのある動きでシュートを狙う。うん、ちゃんと攻守のバランスが取れていて悪くない、悪くはないんだけど、個別に局面で頑張っているだけで、チーム全体としての怖さがあまり無かったように思う。

ところが後半から岡崎と遠藤が入った事でガラリと変わった。まず岡崎が執拗に裏を狙い、相手ラインの対応を突いて大迫も裏を狙い始め、確かにオフサイドは増えたけど2人の交互の飛び出しをコスタリカのDFは明らかに嫌がり、相手が疲れて運動量が落ちた事もあって中盤にスペースが出来始めた。

そして遠藤が、マークを受け続けて前半は厳しい形でボールに触る事が多かった本田の細かい動きを見逃さずスッスッとパスを付けるようになり、本田も遠藤に合わせてワンタッチのパスが増えて中盤に日本本来のリズムが出来る。こうやって早くパスを回す攻撃が出始めると柿谷のセンスとスピードが活きるようにもなる。

最後は長友の登場。1対1や1対2の局面でも躊躇なくドリブルで仕掛けて縦に抜いたりカットインをするので、相手は必ず2人の守備が引き寄せられるためにDFの人数がさらに手薄となり、そこを香川や岡崎が狙ってボランチも飛び込んで来る。いや、この”HENTAI”な攻撃はどんなチームであっても嫌だと思うよ。

本田や香川と言うよりも岡崎と遠藤、長友、柿谷が入ってこそ日本の最終形態であるHENTAIサッカーが完成するのだとは思うが、それ以外のメンバーでMAJIMEなサッカーもこなせる二面性が実は日本の強みなのかもしれない。

なんてくだらん事を考えてしまうぐらい、過去の大会を考えれば順調過ぎる強化過程ではある。ただしコートジボワールはコスタリカよりも攻撃力は数段高いわけで、我々のようなお気楽なファンはともかく、選手は試合のミスもちゃんと振り返ってしっかり兜の緒を締めてもらいたいものである。

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