旧閑ガゼッタ

「ジキルとハイドが怖いコートジボワール」国際親善試合 ボスニア・ヘルツェゴビナ-コートジボワール

日本とブラジルワールドカップの初戦で対戦するコートジボワール。ボスニア・ヘルツェゴビナのホームで親善試合を行い、ボスニアが2-1で勝利を収めたという事でコートジボワールはそんなに強くないんじゃないかという空気が流れているが、個人的にはあまり楽観視する気にはなれなかった。

確かにコートジボワールが前半のままで来てくれたら楽だとは思う。前半の彼らは、相手ボール時には一応4-1-4-1の形を取ってはみるのだが、ほとんど組織化されておらず4と4のところで個人が1対1の守備を仕掛け、何とかボールを引っ掛けて攻撃に移るというものであり、前の4が突破されても後ろの4へ誰もプレスバックしない。つまり2枚のフィルタをかけているだけである。

従って、後ろの4、つまりDFラインにギャップを作らせる動きをするとすぐにスペースが出来るし、FWのポストプレイに対してはDFが付いて行ってマークをするんだけど、4-1-4の1の両脇に2列目の選手が入ると誰もマークしないので、香川だったらそこで楽々ボールを受けて前を向けるだろう。

当然、そういう守備だからボールを奪う位置は低く、DFとボランチのビルドアップはお粗末そのものなのでボスニアに散々パスをカットされ、ボスニアのシュートチャンスはほとんどがそういったミスからであった。なので、有効な攻撃の組み立てはサイドやFWへのロングボールで選手を走らせる攻撃のみ。まあそれで時折マーカーをぶっ千切るから油断は出来ないんだけど。

ところが後半からはコートジボワールのサッカーが一変した。ボスニアの中盤から前の選手に対してほぼマンマークのような形で守備が付き、その1対1の個人能力でボールを奪うと単純にボールを縦に入れ、同様に個人能力でボールをキープ、ゴリ押しで前に進んではこぼれ球を強烈なミドルといったように、とにかく個人個人の連続で押してくる。

正直、コートジボワールに関してはこっちのスタイルのほうがはるかに厄介だし、日本が4年前の親善試合でコテンパンにやられたのはまさにこのサッカーだった。こういうところで、日本が変にボールをキープしたり、逃げの緩い横パスなんかをやらかして中盤でボールを失ってしまうと相当危険な事になるのは間違いない。数的不利な状態で最後にフリーなヤヤ・トゥーレの前にミドルお願いしますというボールが転がるシーンが目に浮かぶ。

そして大御所ドログバの存在。FKを決めた事が話題になっているが、それよりもあまり運動量はないけどボールを受けてから次のプレイにしっかりイメージがあり、ボールをもらってから出たとこ勝負な他の選手とはインテリジェンスがまるで違う。前回のベルギーとの試合でも得点を決めており、決定力に衰えは見られない。

では日本はどう戦うか。コートジボワールがどっちの顔で来るかは分からないが、出来れば前半のジキル氏の時に攻め切って得点を重ね、ハイド氏になってからは1対1を仕掛けられる前にミス無くボールを動かしてサイドの裏を中心に狙う形に持って行きたい。と、そう上手く行けばいいんだけどね。