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「後半ロスタイムの超劇的同点弾」UEFAチャンピオンズリーグ決勝 レアル・マドリード-アトレティコ・マドリード

93分までは完全にアトレティコの試合だった。しかし後半ロスタイムのおそらくラストワンプレーとなるCKをセルヒオ・ラモスがヘディングで決める超劇的同点弾で、全ての運命がひっくり返ってしまった。

マドリーダービーのカードとなった試合は、エースのジエゴ・コスタが早々に怪我で退くというアトレティコにとっては嫌な流れでのスタートになった。

前線での基点を失ったアトレティコは、それ以降3ラインを作って引き気味のディフェンスになって激しいプレスは鳴りを潜めたものの、DFが早めに当たってその後ろを中盤の選手がカバーするというオールドスタイルな守備が意外と機能していた。

レアルはシャビ・アロンソが累積で欠場、代わりにケディラが出場したものの調子は良くなく、後方からサイドへ展開する攻撃が無くてモドリッチやディマリアのドリブルのみに頼らざるを得ず、レアル自慢の両ウイングに良い形でボールが回ってこない。

35分に相手のパスミスをカットしたベイルが絶好のチャンスを外してしまい、その直後にはカシージャスがゴール前で不用意に飛び出してしまい、前残りしたいたゴディンのヘッドが無人のゴールにふわりと飛び込むという、レアルにとっては痛い連続ミスが起きてしまってアトレティコにリードを与えてしまう。

もちろんアンチェロッティもただ手をこまねいているわけではなく、59分にケディラとファビオ・コエントランからイスコとマルセロに交代する。これでレアルのサイドが活性化してSBが奥深くまで上がるようになり、逆にアトレティコは運動量が落ちてラインが押し上げられず、レアルの一方的なペースになる。

しかし度重なるチャンスをレアルの選手がなかなか決められずにとうとうロスタイムへ突入、これでアトレティコの優勝は決まったかと思われた瞬間にまさかの同点弾。もうアトレティコには反撃する余力は残っておらず、延長後半に糸が切れたように3失点を食らって終戦。レアル・マドリーがCL10度目の優勝「ラ・デシマ」を達成した。

アトレティコは、怪我を押して出場を決めたジエゴ・コスタを早々に失い、前線の基点と交代枠を1つ失った事が結果的に響いてしまった。が、ここまでも含めて全員が労を惜しまず攻守に走り回る全員サッカーは見事と言うしかなかった。勝たせてあげたかったが、今日の勝利の神様はいたずら好きだったのが本当に残念だった。

レアルは前半の出来こそ悪かったものの、75分を過ぎてからの迫力はさすが優勝にふさわしい地力を感じさせた。ファビオ・コエントランとカルバハルのSBで1ボランチの守備をカバーし、マルセロを攻撃のスイッチとして使うアンチェロッティの采配もさすがだった。

まあ最後は影が薄かったクリスティアーノ・ロナウドのPKからハルクポーズも見れてエンターテイメントとしては最高だったのではないだろうか(笑)。両チーム共に心からの喝采を送りたい。

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