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「名古屋は産みの苦しみ、大宮は永劫の苦しみ?」ヤマザキナビスコカップ グループB 大宮アルディージャ-名古屋グランパス

ワールドカップでJ1は中断期間に入ったけど、その分粛々と消化されていくナビスコカップ。ここまでJ1では15位と17位と低迷している名古屋と大宮にとっては、貴重なチームのレベルアップを図る機会でもある。

名古屋の方は何だかんだでガンバに近いカラーのサッカーを目指しているようで、とにかく目立つのは積極的に縦パスを出す姿勢。DFラインも、鈍足の闘莉王が入っていながらも高い位置をキープしようという狙いが見られ、闘莉王からFWへも何本か良い形でフィードが入っていた。

が、名古屋の問題はそこから先への展開が無い事で、特に前半はせっかくFWにクサビが入っても中盤やサイドのフォローが遅く、ポスト>中盤>サイドというガンバらしい流れがほとんど実現出来ていなかった。

狙いがはっきりしているのは大宮も同様で、いかにも大熊サッカーらしい、まずは2トップの長谷川と家長にロングボールを当て、彼らがボールをキープしている間に全体が押し上げ、相手のクリアやビルドアップにプレッシャーをかけてセカンドボールを拾う大陸スタイル。

前半は両チーム共にシュートが少なく、どちらかと言うと大宮のペースではあったのだが、その流れを変えたのが後半から名古屋に投入されたダニルソン。それまでは各選手が守備のポジションを守る事で汲々とし、攻撃時にはなかなか効果的なオーバーラップが出来ていなかったのだが、ダニルソンが中盤で幅広く動きて大宮のボールにプレスをかける事で他の選手が自由になり、特に田口らの若手がガンガンサイドに上がって大宮を圧倒、一気に2点を取って押し切った。

名古屋は怪我人の連続で苦しんだ分、半分苦し紛れで起用された若手が伸びて来てだんだん良い流れになっている感じ。ダニルソンがこの試合のように後ろを締めれば彼らもかなり楽になる。ここで安易に前の面子に戻さず一気に世代交代を進めるのも十分ありうる手段ではないか。

大宮は前線にスピードが無くてロングカウンターは狙えないので、やはり相手にサイドを制圧されてラインが押し下げられると手の打ちようがない。何とかして自分たちが先制点を挙げられる展開になれば良いが、先に点を取られた場合の打開策がいかにも少ない。この閉塞状況を大熊監督はどう打ち破って行くのだろうか。

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