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「いつまで黄金世代が引っ張るのだろう」女子アジアカップ グループA ベトナム-日本

初戦のオーストラリア戦で2点のリードを何とか追いついてドローに持ち込むと言う大苦戦でのスタートとなったなでしこジャパン。2戦目の開催国ベトナムは初戦のヨルダンに勝って意気が上がっており、万が一ここで負けてしまったらグループリーグ敗退が現実的になるという緊張感を感じる一戦となった。

ベトナムは序盤こそ前から追っては来たものの、すぐに5バックのような形になって9人で低い位置にゾーンを引き、そこに入って来る日本選手をスッポンのように食らいついて離さない粘りの守備に日本はなかなかシュートを打たせてもらえない。

前線の菅澤や大儀見に宮間を中心とした中盤からどんどん縦パスが入るのはいいのだが、そこからバイタルやサイドへのフォローが弱くて3人目の動きにつながらず、時折澤の攻撃参加で迫力が出たなというぐらいで、ボールは支配しているのだけど怖さの無い攻撃に終始してしまった。

しかし前半も終了間際になってセットプレイからのこぼれ球を川澄がダイレクトでミドルを決めて良い時間帯に点を取れたのがラッキーだった。

後半になるとピッチが乾いてさらにパスの勢いが消されて味方に渡らないシーンが目立ち始め、日本が攻めあぐねる展開が続くのだがベトナム選手の競り合いの弱さに助けられてピンチには至らず、

日本は25分にクロスでの揺さぶりから最後は木龍が決めて2-0とすると、その4分後にはチャンスを逃してきた大儀見がクロスをドンピシャのタイミングで決めて3点目。これで完全に勝負あり。最後はPAの中でボールを拾った川澄が落ち着いてゴール隅に4点目のダメ押し。

グループリーグ最終戦はここまで全敗のヨルダンなので、これでほぼグループリーグの突破とアジアカップ5位までのワールドカップ出場権を無事手にしたようなものだが、そのワールドカップ優勝以来課題とされ続けている世代交代については、相変わらず解消されそうな気配がないのが気にかかる。

この試合でも宮間や澤、大儀見、川澄が多大な存在感を見せる一方で、有吉と上尾野辺のSBはスタート位置が低くてオーバーラップのタイミングが遅く、木龍も点は決めたがサイドでの守備はアリバイ気味だったりして、全体的に消極的な姿勢が目立ってしまった。しかも彼女らとて経験の割に決して若くはないのだ。

いつまで経っても埋まらないというか、「W杯優勝メンバー」とは広がる一方に見えてしまう実力差を、この大会で一気に縮める活躍を期待したいのだが・・・オーストラリア戦での悔しい思いを次にぶつけてもらいたいね。

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