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「間違いなくブラジルW杯のキーマンは長友」イタリア・セリエA第37節 インテル-ラツィオ

今節はトップ下として本田が先発したミランもアタランタにやられてしまったようだが、セリエAのチームというのは本気で守らせると本当に面倒である。

インテルの場合は、以前ならば長友のサイドを切ってパラシオの飛び出しをマークしたら何も出来なかったのが、エルナネスが入って基点が出来、コバチッチがイタリアに慣れてきてパスセンスが開花、これでようやく調子に乗れるかなと思ったら、前回のミラノ・ダービーでのミランはコバチッチ、エルナネス、カンビアッソの3人にまでマークを付けてインテルを封じ込めてしまったのは腐ってもイタリアというところだろう。

ところが今回のラツィオは、アウェイで勝ち点3を取れなければELへの出場が絶たれてしまうとあって、イタリアとは思えない”自分たちの攻撃サッカー”を仕掛けて来た。

何せ、長友のサイドにいたラツィオSBのビアーヴァが中へ絞り気味のポジションを取っていて長友の前には綺麗にスペースが出来ており、コバチッチへのマークも甘くて左サイドは高速道路状態で、インテルが7分と34分に取った2点はどちらも長友とFWの1人が相手の守備を引きつけ、出来たスペースにコバチッチからのスルーパスが嵌った得点であった。そして37分には長友自身がスルーパスを高い位置で受けて中へと折り返し、相手に当たったボールがパラシオの前に転がって3点目を決めるなど、前半はほぼ左サイドだけでラツィオを蹂躙していたと言える。

後半からはさすがにラツィオも考えを改めざるを得なくなって、レデスマを中に投入してゴンサレスを長友に当ててビアーヴァと2人でスペースを消しつつ、時にはFWのカンドレーヴァまでもマークに付けて左サイドを封じ込めに来た。インテルはホームでの現役ラストゲームとなるサネッティを入れたのもあって、右サイドのほうにボールを集めて対抗したが、ダービーの雪辱とサネッティの出場で意気上がるインテルを崩せず、最後はエルナネスにミドルを決められ試合は4-1で終了。インテルは1試合を残して来期のEL出場を決めた。

ブラジルW杯の出場メンバーが決まり、世間は香川や本田、大久保に注目が集まっているが、オシムが日本の両SBをキーマンに挙げていたように、日本が世界と比べて経験で引けを取っていないポジションは、インテルで不動のスタメンとなっている長友と、来期もチャンピオンズリーグへの出場が決まったシャルケの内田がいるSBである事は間違いない。

特に長友については、この試合のようにスペースへの動き出しとパスが噛み合えば止められない選手になっており、香川や遠藤とのコンビネーションで繰り出す切れ味鋭い攻撃に期待せざるを得ない。そして今期コンスタントにレギュラーで出場しているのも彼の強みである。是非ともブラジルW杯は長友の大会だったと言われるような活躍を見せてほしいね。

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