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「ミランは本田を出さなかったから勝てた?」イタリア・セリエA第36節 ミラン-インテル

本田と長友の対決が実現するのではと日本中の注目が集まったミラノダービーは、残念ながら本田の出場は叶わず、試合も大きな見どころはあまり無くて、結局バロテッリのFKからデ・ヨングがヘディングで決めた1点のみで決着するという少しガッカリな試合になってしまった。

ミランはバロテッリとかカーの2トップで、ターラブトがトップ下、ポーリが3ボランチの右に入った4-3-1-2だったが、実質的には4-4-1-1でイカルディとパラシオ、エルナネスとコバチッチの4人をCBとボランチのマークで封じ込め、パスの起点となるカンビアッソにはターラブトを当て、長友のサイドはデシーリオが縦を切りつつポーリがカバーに入り、守備意識が薄いコバチッチを狙って長友の上がった裏のスペースを狙う形が非常に機能し、インテルはほとんど前線に良い形でボールが入らなかった。

その分、長友の逆サイドであるジョナタンのところにスペースが出来ていたのだが、ジョナタンはドリブルを仕掛けてはボールを取られるというトホホな出来で攻撃の役に立たず、そこからのクリアも何故かミランボールになる事が多くて連続した形での攻撃をさせてもらえなかった。一度、長友がサイドを突破してタッチライン際のドリブルからシュートを放ったが、インテルのまともな決定機はそれだけだったかもしれない。

ミランは長友番にしていたポーリに疲れが見えたところで、これまた運動量自慢のムンタリを入れるなど守備力重視の采配は徹底しており、コンディションの悪い本田を入れなかった采配は理にかなっている。と言うか、本田の性格的にあそこまで終始一貫して守り倒すってのは出来なかっただろうし(笑)。

インテルの立場としては、ヨーロッパリーグ出場権獲得のためにはダービーに勝つよりも負けない事のほうが重要で、いつもなら前半は攻撃的な位置取りをする長友がこの試合では最初から5バックの位置にいるなど明らかに守備重視の形を取っていたので、その姿勢が裏目に出て攻撃陣が孤立し、失点してからもミランに守備での主導権を終始奪われたままになってしまったと言える。インテルはもとからマンマークされると攻撃が機能しないという弱点を抱えていたが、それを払しょくすることは今回も出来なかった。

正直、今期のミラノ勢の実力を反映したような内容のしょっぱいミラノダービーになってしまったが、来期はミランの監督も変わるだろうし、インテルも多少は補強をして来るだろうから、もっと盛り上がる形での対戦を期待したいね。

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