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「何故こういうサッカーを最初からセレッソは出来ないのか」ACLグループE 山東魯能-セレッソ大阪

昨日書いた川崎の試合についてのエントリーと題名が似ているのは意図的なのだが(笑)、そう韻を踏んで強調したくなってしまうほど、今までのサッカーは何だったのかと思ってしまうセレッソの豹変ぶりだった。

この試合では、前節の浦項戦で南野が退場した際に執拗な抗議をしたポポヴィッチ監督も出場停止になったため、ヘッドコーチのグルイッチが監督代行をしていたのだが、その事情もあってなのかセレッソはこの山東戦では3バックの布陣を採用し、結果的にこれが見事に当たった格好になった。

おそらく、ヴァグネル・ラヴとアロイージオという山東が誇るワールドクラスのブラジル人2トップを防ぐために、CBが1人余る3バックにしただけという気がするが、これがいろいろな意味で今のセレッソが上手く行っていない点をカバーする効果をもたらしたと言える。

まず1対1の弱さを抱えている丸橋の守備負担が減ると同時に、マンマーカー志向が強い山下と攻撃に出たがるカチャルの間にスイーパーの染谷が入って、守備のバランスが良くなって役割分担も明確になった。右WBは新井場だったが、SBが本職だけにバランス感覚が良かった。山東の先制点は山下が中途半端な当たりで裏抜けされた事でPKになってしまったが、セレッソが2枚のCBならもっとそういう場面が増えていただろう。

ボランチは山口と扇原、前線は長谷川アーリアジャスールとフォルラン、柿谷の3トップではあったが、長谷川がボランチの位置まで下がって5人が3-1-1の形になる事が多く、扇原がかつてミランで3ボランチのアンカーをしていたピルロのようにセンターから効果的なパス出しが出来るようになっていた。元からプレッシャーに弱くてミスが多かった扇原にとっても、この形はやりやすいものだったのではないか。

ほぼ2トップの形になったフォルランと柿谷は、山東が前掛りになっていたので攻撃時にはスペースに飛び出しのびのびプレイ。カウンター時には彼らと山口の飛び出しだけでチャンスを創りだしており、以前にTwitterでフォルランと柿谷、後は労働者で十分と書いた事があったが、まさにそういう形容がしっくり来るサッカーがフィットしていた。

まあさすがにこれだけ守備に重きを置いた形になると2トップは最後まで持たないが、以前のような窮屈で細かいパス回しでフォルランを無駄に使うよりかはよっぽど能力を活かしたサッカーである事は間違いない。つーか、何で最初からこういうサッカーにしなかったのだと小一時間・・・(略

さらに最近の南野は変にモチベーションが空回りしているので、最初はこの布陣でスタートして交代要員として使うべきだと思うのだが、ポポヴィッチ監督はまた性懲りもなく4-2-3-1ワンツーショートパスサッカーに戻してしまうんだろうか・・・はてさて。

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