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「何故こういう試合を最初からJリーグ勢が出来ないのか」ACLグループH 川崎フロンターレ-蔚山現代

昨日、一昨日と行われたACLグループステージの最終節で、Jリーグ勢は横浜Fマリノスを除いた3チームが勝利してグループリーグを2位で突破するという、何とも心臓に悪い形での結果となった。

それにしてもJリーグ勢は毎度毎度のスロースターターぶりで、前半戦の3試合で五分より高い成績を残していたのが川崎フロンターレのみで、横浜に至っては勝ち点1しか挙げられず、結局その前半での不振が響いたと言うか、よく最後は持ち直せたなという気持ちである。

Jリーグ勢の苦戦については、他国のレベルアップや外国人選手のクォリティ、日程の不利という環境面の問題もあるのだろうが、ここで何度も書いているとおりにチームとしてのアジア対策をほとんどやっておらず、普段のJと同じようなインテンシティの低いチマチマパスサッカーをやってしまう事に尽きる。自分が知るかぎりでは、ここ最近でちゃんとアジア用のフィジカルサッカーを準備してきたチームはネルシーニョ率いる柏ぐらいである。

で、前半戦をアジアのフィジカルと直線的な攻撃に面食らったまま勝ち点を落とし、後半戦になってようやく相手のプレイスタイルに慣れてきて結果を出せるようになったものの、時既に遅しという毎度のパターン。この川崎と蔚山現代の試合も、ちゃんと相手をしっかり研究すれば川崎の力があればこれぐらいやれるだろうという見本のような内容だった。

だいたいにおいて、中韓のチームは日本に対して中央でプレッシャーをかけてポストプレイやパスワークを寸断し、ボールを奪ったら素早くサイドへ展開というのがテンプレートであり、その場合の対策は中央では長くボールを保持せずに相手のSBの裏を狙う事にあるが、川崎の攻撃はまさしくその形で徹底されており、蔚山はいつもの定石が通用しなくてパニックに陥って川崎は序盤からチャンスを量産した。ただしレナトがそれらのチャンスを全部フイにしてしまう。

30分ぐらいから川崎のペースが落ちて蔚山の反撃を受けるようになったが、ここで川崎がスコッと2点を取れたのは大きかった。その直後にスコッと1点返されたけどね(笑)。後半も蔚山がゴリゴリとフィジカルで押してくるものの川崎もフィジカル負けせずに耐え切り、最後はCKから3点目を決めて突き放して終了。

ただ、欲を言えばかつてのガンバに比べると川崎のパスワークは緩急が無く、常に縦に早くという狙いばかりなので、この試合のように攻守の切り替えが早く出来ているうちは良いが、疲れてくると足元で止める攻撃が続いてしまうので、そういう場合でもDFラインとボランチの間でダイレクトで速いパス回しでプレスをいなせるようになれば、もっと戦況に応じて柔軟に対応できるようになると思う。

ベスト16の相手は疑惑のPKで物議をかもしたFCソウル。後半戦が相手のアウェイなので、先のホーム戦で出来れば2点差以上で勝っておいて、アウェイでは偏向判定にも慌てない落ち着いた試合運びで逃げ切る展開を期待したいところである。

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