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【解任決定!】最後までモイーズ監督が築けなかった肝心な点

昨日の夜に、突然イギリスの大多数のメディアにおいてマンUモイーズ監督が解任されるだろうという報道が出され、マンU広報はそれを否定するわけではなくノーコメントとした事で、一気に信ぴょう性が跳ね上がり、ここ両日中に解任が決定されるのではないかという噂が飛んでおります。

前任であるサー・アレックス・ファーガソン監督直々の指名、そして6年間の長期契約という事でそう簡単に解任はされないのではないかという見方がされていましたが、CL出場権を失う5位以下の順位が確定したために数十億円単位の減収が避けられない点と、株価下落で株主からの突き上げというダブルパンチで、悠長なことを言ってられなくなったのは確かでしょう。

ここに来て急転直下に方針が転換したのは、おそらくモイーズ監督との契約条項にCL出場権を逃した場合は契約解除となるような条件が盛り込まれていた可能性が高く、指名責任があるファーガソン監督もハーバードビジネススクールで講座を持つことになっているらしく、レジェンドを矢面に立たせない準備は怠っていないので内部では既定路線だったと思います。

ただ、正直言って26年にも渡ってビッグクラブを率いてきたカリスマであるサー・アレックスの後釜、それも絶頂期から老朽化しているメンバーを何とか彼の威厳で持たせて来たチームを誰が率いても、同じ結果を出せるとは思えません。それもモウリーニョやグアルディオラといった経験・実績豊富な監督ならともかく、昨シーズンまで中位チームを率いていただけのモイーズにやらせて上手く行くと考えるほうが異常です。とは言え、最終的には受諾した本人の責任ですから同情はしませんがね。

そのモイーズですが、やはりマンUを率いていく上で何が決定的に足りなかったかと言えば、それは「自信」ではないでしょうか。

まず結果を出すために、マンUに残された数少ないワールドクラスであるルーニーとファン・ペルシを絶対視し、彼らの機嫌を損ねないように希望のポジションでターンオーバーの対象外としてしまった事。それにより、調子の良し悪しに関わらず完全な欠場の場合でしか先発は代えられず、控えというには豪華過ぎるメンバーの不満を溜め、信頼を落としてしまった。

モイーズとマンUのサイドアタッカー達が得意なサッカーは、守備戦術が発達した現在ではハイラインプレスが不可欠なのに、CBはリオ・ファーディナンドを筆頭としてスピードが無くなったベテランばかりで、戦術的にも徹底できずに守備陣形が揃った中に放り込んでは跳ね返されるだけ。マタを入れてポゼッションに転換しようとしても付け焼き刃で強豪には通用せず、唯一内容と結果が揃ったのはバイエルン相手のドン引きカウンターのみという皮肉。

結局シーズンの最後まで、こうすれば勝てる、こうやれば選手の信頼を得られるという確固たる”自信”が何一つ決められないまま迷走し続けてしまったわけで、これでは誰が見ても解任はやむを得ません。

マンU上層部が、誰が就任してもサーの直後はこうなる事を見越して、ワンクッションと割りきって後任監督が仕事をしやすくなるように計算していたとしたら凄いんですけどね。さすがにそこまでは邪推し過ぎでしょうか(笑)。まあしばらくはイギリスマスコミの大騒ぎは続きそうですなあ。

と思ったら、22日日本時間16時半に解任決定の報。暫定で指揮を取るのはギグスの予定だそうで。さてこれから後任探しで大変な事になりそうですね!

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