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「岡崎が10人いてるのがドルトムント」ドイツ・ブンデスリーガ第31節 ボルシア・ドルトムント-マインツ

岡崎が強豪のドルトムントから今期5度目となるドッペルパック、1試合2得点を決めたという事で興味深く見始めた試合だったのだが、気がつけば岡崎がどうこうよりもドルトムントの凄まじい攻撃力のほうにすっかり目を奪われてしまった。

もちろん岡崎の2得点は嬉しいし、それも2点目はシャヒンのバックパスを抜け目なく拾ったもので、あれはシャヒンのミスというよりは、普通ほとんどの選手はあの場面では必ず足を止めてしまってバックパスをわざわざ狙ったりはしないもので、相手の精神的な死角をついたという点で極めて岡崎らしい得点だったとは思うが、全体的に見れば岡崎のところにボールが来ることは稀で、ドルトムントが完膚なきまでに叩きのめした内容だったと言って良い。

クロップが元マインツの指揮官だったのもあってかトゥヘル監督はドルトムント相手にラインを上げて真っ向勝負を選んでしまったのだが、2点は取ったものの決定的なピンチの数だけで言えばあと3点取られていてもおかしくなかったわけで、CL枠を争っている現状を考えればもっと現実的に戦ったほうが良かったのでないかという疑念は残る。

と、思わざるを得ないぐらいにドルトムントの攻撃はとにかく速過ぎる。ボールを相手から奪った瞬間に周りの選手が全速力で走り出し、守る方があっと思った瞬間にピンポイントでパスが出される。0.1秒も対処に躊躇したらもう絶対に間に合わない。そのまま裏に出されたボールに中盤から人が殺到してフリーでシュートを撃たれてしまう。

香川が居なくなってロイスが加入した後でドルトムントの試合を見た時には、アイデアや変化が無くなって一本調子のサッカーになってしまったなと思ったんだけど、クロップはそれを逆手に取ってとことんまで一本調子を先鋭化させ、岡崎が10人いるようなとんでもない超反応カウンターチームを作り上げてしまった。まさにクロップの手腕恐るべしである。

ただ、ここまで戦術が最適化されたチームにいてしまうと、他の凡庸な監督(例えば某赤いビッグクラブとかね(笑))に就いた時に苦労するのは仕方ないなと改めて思う。香川も相変わらずドルトムントへの出戻り話がついて回るが、単に成績だけを見れば良くなるのは確実だろうが、彼個人のサッカー選手としての底上げという部分ではどうかなと思うところもある。もちろん、マンUにクロップが来るのは歓迎だけどね。

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