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「アジアで勝つためには広島に何が足りないのか」ACLグループF 北京国安-サンフレッチェ広島

昨日、横浜Fマリノスの戦評のついでに、Jクラブがアジアで勝つ方法についてちょっと書いてみたんだけど、それを書きながら「セレッソがやってるサッカーはこの真逆だなあ」と苦笑していたので、セレッソが浦項に負けた事は想定通りだった(笑)。つーか、Jですらあのチームインテンシティの低さではどうにもならないよね・・・

そしてもう一方の広島も北京アウェイで大苦戦。ゲロンやウタカといった屈強なFWを揃える北京が、序盤からどんどんと前にボールを集めて基点を作り、広島は何とかパスをつなごうとするものの北京のプレッシャーによってパスがことごとくカットされてハーフカウンターを食らい、そのうちパスを諦めた広島は前に蹴り出すだけになってしまった。

それでも何とか前半はGK林が好セーブを連発して無失点で切り抜けたのだが、後半10分にウタカのミドルを林が弾いたこぼれ球を邵佳一が押し込み、塩谷がボールを掻き出すもののラインを割っていて失点、6分後にはカウンターからヒールパスでつながれゲロンに流し込まれるという、広島がやりたかった攻撃で2点差。

さすがにこの劣勢から立て直しは無理だろうと思われたのだが、森保監督が山岸に代えて清水を投入した事が大当たり、清水のドリブルから67分、70分とあっという間に石原の2連発で同点に追いつき、その後は広島も無理には攻めずに北京の反撃を凌ぎ切り、アウェーでドローという最低限の結果をゲットした。

これで広島のグループリーグ勝ち抜け条件は、ホーム最終戦でのセントラルコースト相手の勝利となり、横浜に比べると易しい条件ではあるが油断は禁物である。と言うか、やはりFCソウル戦の審判買収(?)による勝ち点2の消失が痛いよなあ・・・

セレッソに比べると広島の戦い方はまだアジアを理解していたと言えるのだが、サイド攻撃の軽視という戦術の選択ミスをしてしまった事が大苦戦につながった。野津田は中でスルーパスを狙いすぎて引っかかり、山岸の左サイドにはゲロンがいて攻撃どころではなく、その分右サイドの柏にオーバーラップの機会は何度かあったのだが、クロスはことごとく残念な軌道を描き、2失点目につながったボールロストは柏が中央にフラフラと突っ込んで行ったためであった。

広島が追いついたのは、2点とも左サイドでの清水の強引な縦突破によってであり、プレッシャーの強い中央でパスを繋ぐのではなく、横浜のように前線の高さとサイドでのシンプルな繋ぎをもっと意識した攻撃を最初からやっていれば、ここまで苦しむことは無かったのではないかと思う。

ただ、日本代表を見ても真のクロッサーと呼べるのは酒井宏樹や駒野ぐらいであり、不動のレギュラーである内田や長友も世界レベルからするとクロス精度が物足りない現状では、なかなかJリーグでアジアに勝てるサイド攻撃が実現できないのも事実。ユース世代の個人戦術不足が言われて久しいが、クロスの強化という部分も考えていかなければならないポイントだろう。

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