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「本田セリエA初ゴールで長友がピンチ?」イタリア・セリエA第32節 インテル-ボローニャ

今朝のサッカー界は、ミランの本田がセリエA初ゴールの話題で埋め尽くされてしまっている状況だが、その陰でインテルはまたもボローニャ相手に勝ち切れずドローに終わり、3連勝のミランと勝ち点差が5に縮まり、来期のヨーロッパリーグ圏内が怪しくなって来た。

ここ最近のインテルはとにかくついてない。この試合でもインテルが終始優勢な流れで推移し、開始わずか6分で長友のクロスをイカルディがハーフボレーで決めて先制するものの、35分に長友がタッチライン際で入れ替わられて跳ね返りを押し込まれて同点。それも良いシュートじゃなかったんだけど、たまたまコースが微妙に変わってGKの脇を抜かれるという不運。極めつけは、終盤に今期リーグ初のPKをもらったのに、ミリートが甘いコースに蹴ってしまって失敗と、全てが裏目に出てしまう有り様。

まあ、長友や監督が「今シーズンはこういう運命」と悟ってしまうのも仕方ない部分はあるかと思うが、個人的にはそろそろインテルの3バック戦術が限界に来ているんじゃないかと思っている。

もともと、4バック全盛の時代にイタリアで3バックを導入したのはセルセ・コズミ監督が発端だと考えているが、それはそれまでのトップ下を置く3-4-1-2ではなくて、3ボランチにする事で4バックに対してサイドを強化しつつ、2トップに3人のCBで安定を図るというのが目的だった。それを攻撃的に進化させたのがナポリ時代のマッツァーリで、WBを高くワイドな位置に置いて基点を作り、FWと連携しての分厚いサイド攻撃でイタリアを席巻した。

ところが、今やどのチームも3バックが当たり前になってしまい、しかもWBとFWにきっちりマークを付けるという守備の対処法が知れ渡ってしまったために、戦術的な優位性がほとんど無くなってしまっている。この試合でも長友は縦を切られて仕方なく中へスイッチする場面ばかりで、本来の目的であるサイド攻撃を仕掛ける場面は極めて少なかった。こうなるとどうしても中央で崩す形に頼らざるをえないため、個人で勝負出来るタレントに欠けるインテルには厳しい。

マッツァーリは良い監督だし応援をしたいところなんだけど、このままあくまでも3バックを貫くなら、よほどトヒル会長が夏にテコ入れしないとインテルの未来はあまり明るくないように思う。イタリア式の3バック守備を打ち破るために、あえて戦術的に3バックを捨ててマーキングのミスマッチを起こさせる手段を取るべきではないだろうか。

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