サイトアイコン 旧閑ガゼッタ

「攻撃力についてはレアルは現在世界最強ではないか」UEFAチャンピオンズリーグ準々決勝 第1レグ レアル・マドリード-ボルシア・ドルトムント

昨シーズンはあれよあれよとチャンピオンズリーグの決勝まで登り詰める快進撃を見せたボルシア・ドルトムントだったが、アウェイで臨んだ第1レグではレアルの攻撃力の前に0-3と惨敗し、準決勝進出には赤信号が点滅する事態になってしまった。

この試合を見た限りでは、先にマンUと対戦した王者バイエルンの試合と比べてみても、こと攻撃力に関して言えばレアルのほうが上回っているのではないかと思う。

両翼のクリロナとベイルの突破力とスピード、シュート力が群を抜いている事に加え、3センターの両サイドであるイスコとモドリッチは少しでもスペースがあるとターン能力と細かいドリブルでスルスルと前進して行く力を持っており、しかもベンゼマを含めた彼ら5人がそれぞれ交互にポジションチェンジをしながら、シャビ・アロンソを中心とした後方からのパスがシャワーのように配球されるので、ドルトムントの守備陣が全くマークを対象を絞りきれずに混乱、レアルはバイタルエリアを完全に掌握、そこにSBのオーバーラップが加わることによって自由自在にチャンスを量産してみせた。

これに対向するのであれば、マンUがやったように低い位置で4-1-4-1の壁を作って中央で跳ね返してはカウンターを狙うべきだったのだが、いつものようにゲーゲンプレッシング仕様の4-2-3-1、しかも左SBに経験不足のドゥルムを起用せざるを得なかったために、先制点の場面のようにそこを狙われてガッツリ基点を作られてしまった事も痛かった。

レヴァンドフスキがいれば前線でキープして守備を立て直せる時間が作れたのだろうが、オーバメヤンもムヒタリアンもポストプレイでは役に立たないし、香川のように細かく中盤でポジションを修正してパスを受ける動きがなく、基本的にボールを奪っても単純に前方向にしか走らないので、レアルが元気な時間帯はボールを奪っても彼らにはほとんどパスが渡らなかった。

ただ、ドルトムントに勝つチャンスが全く無かったわけではなく、レアルのクリロナはあまり守備をしないし、イスコにしてもモドリッチにしても基本的にはスペースを埋めるだけでしつこくタックルするわけではないので、カウンターからファーストディフェンスを突破してしまえば大チャンスになっていたし、後半に疲れてプレスがかからなくなると、ゾーンの合間に選手が侵入して来てもほとんど止められずにパスをスコスコ通されてしまっていた。先のダービーではバルサに3-4という試合をやったが、そうなる理由は十分にあったのだ。

ドルトムントの逆転は現実的に厳しいが、ホームでの第2レグで圧倒的なゲーゲンプレッシングでレアルの弱い守備を突き、レヴァンドフスキの決定力で前半のうちに先制できれば、まだ試合はひっくり返せるかもしれない。是非とも前回ファイナリストの意地を見せてもらいたいところだ。

モバイルバージョンを終了