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「決勝はスペイン対スペインの対決?」U-17女子W杯 準決勝 日本-ベネズエラ

ユース世代の世界大会を見ていて一番楽しいというか驚くことは、若い選手たちがその大会だけでいろんなものを吸収してどんどん上手くなる事で、U-17女子日本代表にしても、グループステージのスペイン戦ではパスは回すけどもゴールへの確実性が足りないかなと思っていたら、準決勝のベネズエラ戦では63分までに4点を取ってしまう得点力を身につけてしまった。

まあ、U-17女子の場合はGKのレベルが総じて低く、日本の先制点も十分GKの守備範囲だったと思うのでこれが上位カテゴリでそのまま通用するとは思わないけど、PAの外側からのシュートが多かったグループステージに比べて、よりしっかりPAの中に入って崩すという意識が高まっていることは確かだ。

しかしそれよりも驚かされたのが各選手の個人戦術の高さで、日本のユース世代の選手といえば、止めたボールを蹴らせると抜群に上手いけど、相手のプレスがかかるととたんに逃げ腰になって、慌てて状況判断をせずに横パスやバックパスをしてGKがパントして終わりというパターンが普通だったのに、彼女らは1対1ぐらいのプレッシャーなら簡単に足技でキープしてボールを前に運ぶことが出来る。

日本のサッカーはスペインのスタイルを目指すべきと言われて久しいが、その最も大きな差はプレスをかけられた時にどうやって次のプレイを正しく判断するための時間を作るか、そのプレイを行うために必要な体勢に持って行けるかという部分であり、その具体的な方策の第一は個人のボールキープ力なわけだが、それがCBのポジションであっても出来ている事に驚かされた。

男子のU-17はゼロトップスペイン風サッカーをやっているけど、あっちはそれほど個人のキープ力を重視していないパスに偏ったスタイルであり、女子のほうがはるかにスペインサッカーの本質に近づいているなと感心させられた。決勝のスペイン代表もきっと前の試合からレベルアップしていることだろうし、どちらが本当にスペインらしいサッカーなのか本家と新興の争いが楽しみである。

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