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「当面はこれが本田とミランの生きる道」イタリア・セリエA第30節 フィオレンティーナ-ACミラン

と言う訳で、昨晩のラツィオ戦から引き続いて見た今朝のフィオレンティーナ戦。

個人的に、セードルフがモイーズよりもマシだなと思っている理由は、少なくともセードルフは以前の過ちから学習する姿勢を備えていて、相手に合わせた人選を考える事ができるという点にある。

この試合では、カカーは相変わらずアンタッチャブルだけど、現在4位と好調なフィオレンティーナに対しては、ラツィオ戦でまずまず安定していた守備陣のベースは変えずにボネーラ、ムンタリを入れてフィジカル負けをしないようにし、バロテッリとターラブトという個人で勝負出来る選手を揃え、しっかり守って少ないチャンスをモノにするという狙いを見せたが、結果的にはそれが偶然?に当たった。

選手の間で派閥ができている、この2試合で結果が出なければ監督解任と、マスコミからはネガティブな話題ばかりが出ていた昨今だが、そういう時は意外と危機感からチームがまとまったりするもので、カカーはやっぱり動けなかったが、バロテッリは最近にしては珍しく守備で頑張っていたし、味方のロングボールにもしっかり体を張ってファールをもらうなど、1得点1アシストという攻撃以外の点でも貢献度が高かった。バロテッリがいつもこうならミランもここまで苦労はしてないのだが(笑)。

そして本田も、途中交代後に点を入れられたラツィオ戦とは違ってこの試合ではフル出場。相変わらず相手の守備陣に左足をケアされて右サイドでは攻撃のスピードが付けられず、マークされた状態でパスを受けてはキープしきれずにロスト、強いパススピードとボディコンタクトでトラップも安定せずと、攻撃ではまだまだイタリアサッカーに苦しむシーンが多かったものの、守備では献身的なカバーでクアドラードを封じ込め、後半は対面のロンカグリアをカモにして何度もインターセプトを成功させた。

ただし選手起用はともかく戦術面ではまだまだお粗末。現代サッカーでは、DFラインがボールを持つとボランチに強いプレッシャーがかかるので、SBが上がってボランチの1枚が下がり、3バックのような陣形でサイドからのビルドアップを仕掛ける事が半ば常識化しているが、ミランはマイボール時でも守備の陣形がほとんど変わらず、仕方なくロングボールをバロテッリに放り込む形が非常に多かった。監督が指導してないのか、選手が指示を守ってないのかは分からないが、少なくともこんなビルドアップでポゼッションしようなんてへそで茶を沸かす。

まあミランにしてもマンUにしても、古今東西調子の悪いチームというのは守備が上手く行ってないから攻撃も機能しないというパターンがほぼ全てである。ひとまずポゼッションなんて夢は忘れて、この試合のように泥臭く攻守に体を張って勝ち点をもぎ取るしか、今のミランが取るべき道はないと思う。本田についても同様で、前でボサッと待ってても良いスペースとパスなんて来ないんだから、バロテッリが決めたFKを奪った場面のように自らスペースへ飛び出してボールを引き出し、1対1の守備に勝ってボールとスペースを奪わないと。まずはそこに集中だ。

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