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「ステフェンスの元でやっと酒井高徳も開花するか」ドイツ・ブンデスリーガ第26節 シュツットガルト-HSV

シュナイダー前監督が泥沼の8連敗の責任を取って解任、今期シュツットガルト3人目の監督になったのは元シャルケを率いていたステフェンス。対するHSVも、酒井宏樹がいたハノーファーを率いていたスロムカ監督招聘で立て直しつつあるチーム。そしてともに残留を争うライバルという似たもの同士試合は、シックスポインターらしい非常に手堅く負けないサッカーで争うセメントマッチになった。

試合の鍵になったのはやはりHSVの攻撃のキーマンであったハカン・チャルハノールの退場。これでスタミナに難のあるファン・デル・ファールトを下げざるを得なくなり、そこまでシュツットガルトを脅かしていたセットプレイの威力がダウン、後半25分にはそれまで何度もトラオレに破られていた左サイドで痛恨のクリアミスを犯し、セカンドボールをトラオレに拾われてグラウンダーのクロスをマクシムがフリーで楽々と合わせ、そのままシュツットガルトが逃げ切った。

もちろん、このシュツットガルトの勝利は運や偶然ではない。ステフェンス監督が今までのシュツットガルトには決定的に足りなかった守備の規律をもちこんだおかげである。彼が就任してからのシュツットガルトはこれで1勝1分けと、ひとまず悪い流れをしっかり断ち切ることに成功したと言って良いだろう。

いつものパターンであれば酒井高徳は最初から高い位置を取って、攻撃の時はどっちのSBも上がる事が珍しくない2バックのような形になるのも珍しくなかったのだが、ステフェンス監督は明らかにそこの決まり事を作っているようで、SBのどちらかが上がっていれば片方は常に3バックのような形でラインに残り、2ラインのゾーンを崩さないような規律が出来上がっていた。

例えば酒井がボールを持って前に位置するラウシュにパスを出す。ラウシュは中に寄ってプレイすることが多いので、酒井はそれで出来たスペースに上がるのが常なのだが、この試合ではその前に逆サイドをチェックしてSBが上がっていればオーバーラップを止めて元のポジションに戻るシーンが見られていた。こういうシーンは、以前までのチームならあり得なかった事である。

もともと酒井は攻撃ではいいものを持っているのに、守備のポジショニングに難があるとされて一向に解消していなかったのだが、やっとこさ酒井に守備を指導できる監督が来てくれたかという感じだ(笑)。是非ともステフェンス監督には残留を果たした後も続けてもらって、本当に長友の代わりになれるはずのポテンシャルをしっかり引き出してもらいたい。

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