サイトアイコン 旧閑ガゼッタ

「マンUの方針転換で香川は本当に起用されるのか?」イングランド・プレミアリーグ第29節 WBA-マンチェスター・ユナイテッド

チャンピオンズリーグのオリンピアコス戦で惨敗を喫した後、選手たちの間で自主的なミーティングがあったというニュースがあり、その後で行われたWBA戦の内容と結果にミーティングの効果が出たのではないかという噂を聞いたので、香川は最後の15分しか出なかったけど試合を全部見てみた。

確かにスタメンからして、偶然かも知れないが今までモイーズに重用されていたヤングやバレンシア、クレバリー、リオ・ファーディナンドといった選手がおらず、2列目がヤヌザイ、ルーニー、マタと並び、ボランチはフェライニとキャリック、DFラインにはラファエルとジョンソンが加わっていた。

そして試合が始まると、今までのようなサイドにドカンと蹴ってドリブル突破からクロスというモイーズサッカーは姿を潜め、中盤でパスをつないで2列目はサイドよりも中でプレイし、クロスはSBが攻撃参加して上げるという正反対のスタイルに変貌していた。

これによって大きく変わったのがゴール前の人数で、それまでのサッカーだとクロスを上げても中にいるのがファン・ペルシとルーニーだけというパターンが多く、わずかの点で合わせないと得点にはつながらなかったのだが、この試合では中盤でのパスワークで全体が押し上げられる余裕が出来、クロスが上がった時には4~5人の選手がPAの中にいて、そこのどこかに合えば得点という状態になっていて、65分のルーニーが決めた得点などまさにその形から生まれたものだった。

そういうサッカーで生きてくる選手といえばまさに香川なのだが、じゃあこれが即マンUでスタメン復帰につながるかと言えば、残念ながらまだちょっと難しいかもしれないと思っている。

マンUに移籍してから初めてと言って良いぐらいにじっくりとマタのプレイを見てみたのだが、マタのプレイは香川の攻撃強化版という感じで、香川ほど熱心に守備へは戻らないけれど、前線へ飛び出す積極性やクロスの精度という部分については香川を上回っており、攻撃に対する貢献としてはマタのほうが分かりやすい。

そしてファン・ペルシとルーニーのセンターコンビが聖域である以上はサイドへの配置に限られるし、どちらもサイドの選手としては守備力が足りない以上、よほどの弱い相手や是が非でも点を取らないといけない場面以外は同時起用は難しいように思う。ルーニーの大幅年俸アップに対してファン・ペルシが甘んじるとは考えられず、契約交渉がこじれること必須な今オフでの放出が噂されているが、どちらかがトップ下になったとしても2列目での同時起用は厳しいと思う。

ファーガソンやグアルディオラのように、マタと香川をローテーションで使っていくのが本当は良いんだけど、モイーズにはその器も余裕も無さそうなので、とにかくマタが出られない次のCLホームオリンピアコス戦に出場し、逆転勝ち抜けという結果を香川自身の手で掴み取ることがスタメン復帰の必要条件になるだろう。

モバイルバージョンを終了