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「安定感が出てきた長友とインテル」イタリア・セリエA第27節 インテル-トリノ

ここ2試合ほど勝ち切れない試合が続いていたインテル。この試合でも結果は中位のトリノに対してホームでウノゼロの辛勝ではあったが、内容を見れば今までに比べるとかなり安心して見ていられる出来だった。

トリノは3バックと名のつく実質5-4-1というフォーメーションで、守備時は後ろの5人がPA付近からほとんど動かず一直線を形成し、インテルの飛び出しに対しては4人が必ず付いて行くという、網+銛の超引きこもり戦術。おかげで、長友とジョナタンのサイドは楽々高い位置をキープする事が出来たのだが、そこからボールを持ってPA内に入ることはほぼ不可能で、中>外>中と何とか守備の穴を開けようとひたすらハーフコートでボールを動かす不毛な展開。ところが30分に、長友がつないで左サイドからパラシオ、カンビアッソと大きなワンツーでつなぐと、パラシオの折り返しが直接ゴールに入るラッキーなゴールでインテルが先制する。

その後は当然トリノが前に出て来て、長友が上がったスペースを快速チェルチがドリブルで切り裂いて形を作ろうとするものの、エルナネス、カンビアッソ、スタメン復帰のラノッキアがうまくカバーリングで対応、長友は直接点には絡まなかったものの、攻撃の時は必ず高い位置まで上がり、守備の時は上がり切った時以外は素早く戻ってカバーを怠らないなど(最後の10分間ぐらいは上がらなくて良いのではと思うが(笑))、相変わらず相手にとっては嫌な存在であり続けた。

チーム自体も、パラシオが一時の不調から脱出し、久々のカンパニャーロとラノッキアも守備で破綻を見せず、キープ力のあるエルナネスが入った事で中盤の守備負担が減少、交代で入ったコバチッチも久々に切れのあるプレイを見せるなど、ようやくここに来て安定感が出始めたなという印象。

もちろん長友のレベルアップがもたらす効果は大きく、地面とシューズの摩擦を上手く使ってピタリと止めるトラップ、体勢が良いとすかさずドリブルを仕掛け、2人に囲まれても動じずに最悪タッチを割らせる事で切り抜ける落ち着きなど、どれもインテルに入ってから克服してきた課題であり、今やどこのビッグクラブに行っても恥ずかしくない選手になって来た。

ただ、クロスの向上という課題は残っており、ドリブルで突破してからこすり上げるように出すクロスはそれなりの武器になって来たが、足を止めてからのキック精度はあまり宜しくない。これに関してはジョナタンが上手くて、足の甲にボールを載せてそっと置きに行くようなタッチのキックコントロールを持っているので、是非とも長友にはその技術を盗んで欲しい。

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