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「長友もここまでかかって少しづつ成長してきた」イタリア・セリエA第26節 ローマ-インテル

現在ユベントスに次ぐリーグ戦2位、既にインテルとは勝ち点17の差をつけている強豪ローマとのアウェイ戦。エルナネスを先発から欠いたインテルは終盤に押し込まれながらも何とか耐え抜き、スコアレスドローという最低限の結果に持ち込んだ。

この試合のポイントとなったのは、贔屓目抜きにしても長友のサイドでの攻防だったと言える。まずローマは長友のオーバーラップを非常に警戒しており、長友が上がったらSBのトロシディスが完全にマンマークでびったりと張り付き、長友はジェルビーニョに対してのケアもしなければならなかったのだが、そういう時でさえトロシディスが長友を視界から外す事はほとんど無く、インテルの左サイドは完全に膠着状態になってしまっていた。

その分、前半のインテルは右から攻める機会が多く、何度か良いクロスからチャンスになったものの得点を決めるまでには至らず、後半途中からはDFラインが上げられなくなってローマにセカンドボールを拾われるようになり、右サイドのジョナタンもなかなか攻撃参加が出来なくなって、FWに無理な縦パスを出してはカットされる苦しい展開に陥った。

これが通常の試合ならば、相手が疲れた後半からは長友がガンガン高い位置に上がって無双しまくるところなのだが、マッツァーリ監督はおそらく長友に指示を出したと見え、途中からは上がりを控えて中に絞ってくるジェルビーニョを重点的にマークするポジショニングに切り替え、そのためトロシディスの上がりを許す格好になってしまったが、ジュアンとマークを受渡しながらカバーリングの動きを絶やさず、アルバレスに代わって入ったエルナネスのキープ力を味方に付けて徐々に押し戻すなど、最後まで守備を破綻させずに守り切った。

確かに攻撃面では目立った活躍ができず、日本人ファンとしては物足りない試合だったかもしれないが、長友個人だけの力では無いにせよローマの攻撃の核であるジェルビーニョを抑えて無失点で終えたのは本人としても自信になるだろうし、W杯でのコートジボワール対策という点で相当な経験と参考になっただろう。

ミランでの本田がなかなか活躍できなくて周囲から相当叩かれているようだが、語学を含めたコミュニケーションは何の問題もなく、運動量という圧倒的な武器を持った長友でさえ、未だにポジショニングや守備のミスを叩かれるし、攻撃のつなぎで流れを切らさずまともなクロスを上げられるようになったのはここ1~2年である事を考えれば、10番を背負ってまだ2ヶ月の本田が苦労するのはある意味当然である。まずは練習や少ない時間の本番で全力を出せる体調を作って欲しい。

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