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「長友はクアドラードに判定勝ち」イタリア・セリエA第24節 フィオレンティーナ-インテル

今年に入ってから長らく勝てなかったインテルだったが、勝ち点8差で4位のフィオレンティーナとのアウェイ戦で2-1と競り勝ち、何とかEL圏内の5位へと浮上する大きな連勝を飾った。

ようやくインテルが復調してきたきっかけとなったポイントは、まず第一にサムエルの復帰だろう。スピードこそ無いが1対1の競り合いに絶対的な強さを見せるサムエルがセンターに入る事で、ロランドとジュアンの2人が憂いなくサイドの高い位置に上がることが出来、それにより今までインテルの穴とされていた両WBの裏のスペースを早くケア出来るようになり、フリーでクロスを上げさせる場面がかなり少なくなった。

そしてもう1つはエルナネスの獲得。まだ周囲とコンビネーションが合わずにボールを持ちすぎるきらいはあるが、全盛期の中田に守備力をプラスしたマルチな能力を発揮、彼がどんな体制でもボールを前に運べるので中盤でのボールロストの確率がはっきりと減少した。そうなると、俊敏性には欠けるが気の利いたポジショニングが持ち味のクズマノビッチもアンカーで活きる。

長友もセリエで1、2を争うスピードスターのクアドラード相手に丁々発止のやり取りを見せ、センターに寄ったドリブルからのシュートで点を取られたり、1度完全に裏を取られてからフリーでクロスを上げられた場面はあったが、オフサイドとはいえ65分に長友がクアドラードを振りきってからのクロスでイカルディをアシストすると、70分過ぎにはクアドラードが足を釣らせて交代。確かにコッパ・イタリアに出た疲労はあったのだろうが、この試合では長友の判定勝ちだったと言えよう。

ただし喜ぶのはまだ早い。先制点を上げた後や、長友が交代した85分過ぎからのインテルは全体がズルズルと下がってセカンドボールを拾われ、ゴールに近い位置からのクロスをひたすら跳ね返すだけのアップアップ状態だったのはいただけない。ミリートも動きは良くなって来たとは言えゴールの嗅覚はまだ鈍ったままだし、最近はジョナタンも影が薄い。インテルに何度もあったカウンターの場面も結局決められずに最後は冷や汗をかく羽目になった。

まあユーヴェ以外の上位陣はやや息切れが見られるようになって来ているので、ミリートが復調してカンビアッソやアルバレスが戻り、そこからどれだけ快進撃出来るかが今後のポイントだろう。

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