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「本田にも香川の苦労が少しは分かったかも?」イタリア・セリエA第21節 カリアリ-ACミラン

ともに日本人選手が移籍したビッグクラブながら低迷期に直面しているミランとマンU。モイーズ監督のままで変わらないマンUに対して、ミランはセードルフ監督へと首をすげ替えて立て直しを図っているが、まだまだ道半ばという現状がかいま見える内容になってしまった。

ミランの4-2-3-1は比較的セードルフ監督の母国であるオランダカラーが強めのようで、2列目の選手は基本的にワイドな位置にポジションを取って、相手にボールが渡ったら近くにいる選手が個人でプレスをかけて再び高い位置でボールを奪おうという狙いが見える。この試合でも前半の半ばぐらいから、中盤からなかなかボールが来ない展開に業を煮やした本田がボランチに下がったりトップ下の位置へ寄って来たりしていたが、後半からまたサイドに位置を移したのを見ると、守備に転じた時のバランスを考えてハーフタイムで監督の指示があったと推察される。

本田じゃなくてカカーたトップ下になっているのは、カカーが勤続疲労気味でサイドに置くと守備負担が増えてしまうのと、カカーがトップ下の位置でカリアリに相当削られていたので、まだイタリアに慣れていない本田に比較的プレッシャーがゆるいサイドで足慣らしをさせたい思惑もあったのではないだろうか。

ただ、サイドであってもセリエの場合は戦術的な徹底度が違っていて、この試合ではSBムッルとボランチのエクダルが常時2枚でマークに来ていたが、本田自身にボールキープ力とフィジカルがあるのでサイドでボールを受けて孤立したとしても簡単には奪われないし、最初からSBが早いタイミングでフォローする形が徹底されているので、デシーリオとのコンビである程度打開が出来るようになっているので、簡単にズルズル下がる事態にはなっていない。その辺が、チームからのサポートが無いと攻守において厳しい香川とは異なる点である。

あとワイドに開くサイドの利点と言えば、単独でのドリブル突破がし易いという面はあるが、DFの死角から中に飛び込んでゴールを狙いやすいという面があり、長友もそうだが近年はその形が攻撃戦術のトレンドになりつつある。ドリブル突破を自ら仕掛ける場面はあったものの、中へ飛び込んだ本田に合わせる攻撃が本来は監督から求められているものだろうし、それで決定的なチャンスを作っているのだから、本田の起用法の道筋は見えている。本田がサイドを嫌がらなければだが。

とは言えチームの課題はまだまだ多い。代表と違ってバックパスをしても本田以外の前線の選手が足を止めたままなのでリターンがつながらないし、CBが鈍足でライン取りが低く、前線からプレスはかけていてもそこを突破されると後ろが連動できていないので、あっという間にゴール前までボールを持って行かれてしまう。その辺りはマンUが抱えている悩みと近い。ただし、こちらはおそらく監督も気づいているだろうからまだ希望はあるけどね。

昨日、チェルシーからエッシェンの移籍が発表され、デ・ヨングの代わりがいない守備的ボランチの補強が出来た。補強プランについては、マンUやインテルに比べてミランの強化担当ははるかにマシだ(苦笑)。バロテッリがまたお馬鹿をやって出場停止を食らったが、パッツィーニも戻ったのでここから本田の力で反撃と行きたいね。

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