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「手倉森体制のスタートは3歩下がって2歩前進」AFC・U-22選手権 イラク-日本

試合の結果を知ってからだったので見る前からモチベーションは既に低かったんだけど、実際に試合を見始めたらやっぱり違う試合にすれば良かったかなと後悔してしまった(苦笑)。

U-23の年代で構成され、U-20W杯でベスト4になったメンバーやジーコに見出されてフル代表での試合実績がある選手をずらりと揃えた、この世代ではアジア最強クラスのイラクに対し、日本は五輪予選を見据えて2歳年下のU-21の選手で挑んだので、最初から分が悪い内容になるのは分かりきっていた話ではあるが、それにしても前半の内容は日本がアジアにやられるテンプレートを見せられているようだった。

イラクの選手は味方からパスを受けたらまずしっかりと前進して日本の守備をスクリーンし、1対1を無力化してからパスを出すのでほとんどミスが起こらないんだけど、日本の選手は相手に詰められるとすぐに足を止めてしまうのでバックパスで逃げるか、逃げられない場合は無理なキープであっという間に囲まれてボールを奪われるなど、まともにパスをつなげる事さえ出来ない。辛くもプレスから逃れたとしても最後はDFが適当にボーンと蹴ってしまうので、いくらフィジカルのある鈴木武蔵と云えどキープすらままならない。

守備でも日本はユース年代の持病である1対1での軽い対応が目立ち、せっかく相手の縦を切ったポジションを取っていながら、体を当てずに足先をちょこんと出してボールに行くだけなので、結局イラクの選手に体ごと進まれて2人がかりでも突破されてしまう始末。CBの植田はともかく西野はガンバでレギュラーなはずなのに、情けないぞしっかりしろよと思ってしまった。

ただ、それでも相手の拙攻もあって何とか無失点で前半を切り抜けると、後半からはようやく各選手もイラクのフィジカルとスピードに慣れてきたのか、前半は1人だけ気を吐いていた中島を中心に、各選手がボールを受けてからドリブルを入れて前へと運んでからのプレイが出来るようになり、ようやく互角の戦いが出来るようになったと思ったら一発のパスで抜け出されてとうとう先制点を許してしまう。GK櫛引はここまで良いセーブを見せていたが、この場面では不用意な飛び出しで無駄な失点を与えてしまった。

そこから日本はパワープレイらしきものをやろうとするが当然うまく行くはずもなく、日本はそのまま0-1で敗れてベスト8で大会を終えた。

この試合が前半のままで終わったら多少がっかりしていたかもしれないが、後半にある程度の反発力を見せて2歳上のイラクに競り負けたのはまずまず評価が出来るのではないか。高いレベルの刺激を受ければ伸びる選手達なので、この経験をクラブに持ち帰っての反芻、地力向上に期待したい。

 

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