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「CSKA時代や香川ほどには状況は悪くない」イタリア・セリエA第20節 ACミラン-ヴェローナ

リーグ戦初先発となったこのヴェローナ戦では、コッパ・イタリアでの賛辞から一変してメディアはこぞって酷評、本田自身も「50%もいっていないんじゃないか」と語っていたのを聞いて、よほど出来が良くなかったのかと思いながら試合を見てみたら、確かに決定機で目立つミスはあったものの全体的にはそこそこフィット出来ていたように思った。

最初のスタート位置が2列目の右と聞いた時には嫌な予感がしていた。CSKA時代には何とかその位置での起用はあったが、もともとスピードが無い上に右足が不得意でボールを左に持ち替えないとクロスが上げられなくて遅攻気味になり、しかも視野が片方に限られる右サイドでは本田の良さが半分も活かせないのだが、カカーやロビーニョとのポジションチェンジで中央にいる事が多く、相手がベタ引きでサイドが出てこなかったのでデシーリオも高い位置撮りをキープ出来、香川と違ってサイドの守備に追われる機会はほとんど無かった。

相手が徹底的にスペースを潰して守っていたのでバックパスは多くなったが相変わらず味方からボールは集まっていたし、カカーとのワンツーなどコンビネーションプレイも時折出せていた。ロビーニョとモントリーヴォがやたらとミドルを打ちまくっていたのと、バロテッリが真ん中に居座って本田にとっては蓋になっていた面はあって、攻撃陣全体としてのコンビネーションやパスの意思疎通はまだまだ足りない面はあったが、ポゼッションを重視するセードルフ監督の思惑と本田の思想やプレイスタイルにズレはなく、その意味でもへんてこな起用しかされない香川に比べるとはるかに恵まれた環境だなと思う。

これがCSKAだったらジャゴエフは真ん中から動かなくて中央とポジションチェンジができず、中盤がスカスカでSBやボランチが遠くて本田が孤立し、後ろからボールが来なくてろくすっぽプレイに関与できないという試合はザラだったので、それに比べりゃ随分見ていて楽しみがあった試合だけど。

ただしコンディション的にはまだまだ。デシーリオからのクロスをゴールのど真ん前でトラップミスしてシュートまで行けなかったシーンを始めとしてトラップは終始落ち着かず、自慢のFKは宇宙開発。攻撃での走りこみは怠らなかったが、一度相手のカウンターを追い切らなくて相手選手をフリーにさせてしまったのは、幸い得点につながらなかったとは言えイタリア的には印象が悪い。押しきれる調子じゃないのかバロテッリとのFKバトルも譲ってたしね(笑)。

周りにスペースがあったほうが活きるバロテッリとは4-3-2-1のほうが本田にとってはやりやすいとは思うが、セードルフ監督が4-2-3-1で行くなら2人共それに合わせるしか無い。良質なウインガーが特に右サイドに存在していない以上、バロテッリを上手くサイドに動かして使いたいところだが、それをセードルフと本田がどれだけ指導力を見せられるかが今後のカギになりそうだ。

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