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「サッカーの質自体は大学よりも上」Jユースカップ決勝 ヴィッセル神戸U18-サンフレッチェ広島FCユース

昨日見たインカレのほうは、ガツガツ当たって縦に速い大陸サッカーの応酬で少々面食らってしまったのだが、さすがJユースカップの決勝はしっかりパスを回して攻撃するチーム同士の対戦で、個人的にはやはり見ていてホッとするものがあった(笑)。

しかし同じパスサッカーと言えど戦術的にはスタイルが違っていて、神戸は4バックでプレッシング志向、広島はトップと同じ3-4-3でよりワイドなポゼッション志向。で、決勝戦の前半は神戸がペースを握って始まった。

神戸は4-2-3-1だけど攻撃時はSBが高く上がって2-4-1-3の形になり、3-4-3でサイドがワイドに張った1枚しか無い広島に対して、高い位置取りのサイド2枚をぶつけて攻防で優位に立ち、試合開始直後に表原のスルーパスからのクロスが交錯によってこぼれたところを藤本が詰めたゴールで先制すると、19分にはまたも表原によるドリブルからのミドルシュートが決まって早々に2点目を決めてしまう。

その後も神戸が優位に試合を進めるものの、何とか広島は宮原を中心としたカバーリングで耐え忍び、25分過ぎから徐々に神戸のプレスが弱まり始めると広島がパスを回せるようになり、30分に右サイドからの折り返しをうまく川辺がDFと体を入れ替えて流し込んで1点差に追いつく。

後半になると広島のポゼッションが完全に神戸を上回るようになり、WBが始終高い位置で基点を作って試合を支配するものの、神戸もチャンスには人数をかけたカウンターで何度も決定的な場面を作るのだがそれを決めきれず、78分に広島が今度こそサイドからの低く鋭いクロスに諸岡が中で合わせ、とうとう同点に追いついてしまう。そして試合は延長戦に。

延長になると広島がさらにボールを支配し、神戸はラインが上げられなくなってほとんど鳥かご状態。しかしトップ昇格が決まっている神戸GK吉丸がナイスセーブを連発、攻撃陣も逆境の中から何とか決定機を作ったが双方に追加点は入らずPK戦に。最初の5人が全てPKを成功させた後、広島6人目の宮原のキックは吉丸にセーブされ、ヴィッセル神戸の優勝が決まった。

全体的に見応えのある好ゲームだったが、中でも個人で目立っていたのは神戸の表原。愛媛FCへの移籍が決まっているそうだが、165cmと小柄ながらシュートはパンチ力があって正確、視野が広くてスルーパスも出せ、守備でも頑張れるマルチな能力は即戦力向きなタイプ。ただしマークを外す動きや空中戦の駆け引きはまだまだなので、そこがJで通用するかがポイントだろうか。

広島は宮原、川辺のトップ昇格選手はもちろんだが、FWの1年生加藤陸次樹が目を引いた。どんな形でもシュートに持って行ける力強さ、身体能力は最近の日本ではなかなかいない本格派アタッカーの香りがする。このまま順調に育って欲しいね。

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