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「本田はミランの救世主、は嘘じゃない」イタリア・セリエA第17節 インテル-ACミラン

来年のミランダービーでは、長友と本田の対戦が実現するとあって日本でひときわ注目を集めたミラノダービー。ただ、近年のセリエAの退潮傾向を表すかのように、前半の試合については退屈な面が目立ってしまった。

ミランの3トップはバロテッリとカカー、もう1人はエル・シャーラウィが怪我をしたためにサポナーラが入っていたのだが、バロテッリはやたらとシュートを打つばかりで守備やポストでチームの組み立てを助けようという意識が薄く、サポナーラは走っていたけどオン・ザボールで印象が残る働きは出来ず、攻撃の組み立てはカカーにおんぶ抱っこ状態、そしてカカーは案の定インテル守備陣の集中的なマークを受けて倒されるばかりという有り様。

インテルの方も攻撃については似たり寄ったりで、インサイドハーフのサネッティとタイデルはほとんど攻撃に顔を出せず、長友のサイドはポーリとデ・シーリオの2人で固められて上がることが出来ず、グアリンが何とか攻撃をつなごうとしてはいたが多勢に無勢で、パラシオは完全に孤立してしまっており、互いにシュートは打っても枠外ばかりで大味極まりない内容であった。

ただ、インテルのほうはある程度守備を考えた布陣と入り方が奏功し、ジュアンとカンパニャーロ、ロランドのCBは安定していて、サネッティとタイデルは攻撃しない代わりにスペースも開けず、後半10分にタイデルと代わって入ったコヴァチッチが比較的自由に中盤を動きまわってリンクマンとなり、後半25分を過ぎるとインテルの運動量が勝り始めて長友無双タイムがスタート、最後にイカルディを入れて2トップにした事でミラン陣内はインテルが数的優位な状態になり、それがパラシオのゴールにつながった。結果論ではあるが、マッツァーリ監督の作戦勝ちといったところだろう。

それに対してミランの打つ手は効果がなく、マトリやパッツィーニを入れても前線の基点不足は改善されず、ここに本田がいればカカーと2人で攻撃の基点になって構成力がずいぶん向上するのにと思ってしまった。CSKAでドゥンビアやムサとコンビネーションが作れていたように、身体能力系黒人選手を使うのも上手いので、きっとバロテッリと良い関係が出来るのではないかと思ったり。

いや~、それにしてもチーム序列が3番目とはいえ長友がキャプテンマークを巻くようになったのは感慨深いね。いずれは、インテルのリーダーとなるべきだと前にも書いたことはあるけど、まさか本当にその流れが実現しつつあるのは恐ろしいぐらいだ。もう数年したら、ミランの10番とカピターノ長友がダービーで対決してしまったりするんだろうか。う~む、それまで絶対に死ぬわけには行かないなあ(笑)。

 

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