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「長友の低い採点には理由がある」イタリア・セリエA第16節 ナポリ-インテル

CL圏争いのライバルであるナポリに先制点をプレゼントするミスをしたのは事実だけど、シーズン4点目となる2点目のゴールを決めた長友に対して、メディアが採点5を付けるなどの低評価だったのが不思議だったんだけど、実際に試合を見てみるとなるほどこれは問題になるわな、と思ってしまった。

前半戦で好調だった時のインテルは、長友が上がったスペースをアルバレスやカンビアッソがカバーしてカウンターを防いでいたんだけど、この試合では両者ともほとんど長友のカバーには入れず、さらにCBの左に入ったロランドがサイドに流れて来るイグアインを視界に入れないといけないために位置取りが低いままだったので、長友の裏には常時広大なスペースが空きまくっていた。

しかも、この試合での長友はサイドでボールを受けてから中へと切れ込む動きが多く、その状況でボールを奪われてしまうと、いくら長友と言えどもサイドのスペースへと戻り切るのは無理で、インテルの3バックはカウンターで攻めて来る相手に対してラインを下げながらのディレイ対処を強いられ、そこに攻撃参加の選手が来るといとも簡単に振り回されては決定的なピンチを作らせてしまっていた。

先制点につながった長友の中途半端なヘディングクリアも、簡単に外へ出しておけば済む話だったのかもしれないが、そもそもロランドと意思疎通が出来ていれば特に問題にならなかったプレイであり、長友にしてみればいつも通りのプレイに過ぎなかったとしても、チームのメンバーが変わったり試合展開や状況で戦術的なプランが実行できていない時に臨機応変に対応するという点で物足りなかったのは事実だろう。

確かに、得点だけではなくてアシストにつながりそうなプレイは多かったし、何度もドリブルからの突破やクロスを成功させるなど攻撃面での活躍があったとは言え、ロランドやラノッキアは不安定で、ハンダノビッチもらしくないプレイを連発していたこういう苦しい試合では、自分のミスを攻撃で取り返すのではなく、あえて守備面でチームを助けるチームリーダーとしての自覚と役割が長友に求められているのではないかと思う。

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